横浜聡子監督が青森で描くいびつな家族 「りんごのうかの少女」予告公開
2013年9月20日 15:00
[映画.com ニュース] 「ウルトラミラクルラブストーリー」などで独特の感性を発揮してきた横浜聡子監督の新作「りんごのうかの少女」の予告編を、映画.comが独占で入手した。
横浜監督が故郷・青森を舞台に、全編津軽弁で思春期の少女と壊れかけた家族の関係をあぶり出した中編作品。地方からの情報発信を行い、地域活性化に取り組むダンス・ボーカルユニット「りんご娘」のメンバー、ときが主演し、主人公の少女をみずみずしく演じた。また、「ミステリー・トレイン」以来の共演が実現した永瀬正敏、工藤夕貴が夫婦役で出演している。
リンゴ農園を営む三上家の長女りん子は、険悪な母と祖母、酒におぼれる父に嫌気が差し、恋人とともに不登校と家出を繰り返していた。家出資金が底をつき久しぶりに帰った実家で父の死を知り、亡き父が誕生日プレゼントとして残した馬と出合う。
津軽三味線のリズムが印象的な予告編は、素朴で平和な青森の空気とは対照的な、思春期の少女のやり場のない感情と衝動が浮き彫りになっていく。横浜監督らしい光にあふれた映像が、いびつな家族が織り成す予測不可能な物語を温かな眼差(まなざ)しで包み込んでいる。
5月に開催されたソウル国際女性映画祭2013に続き、第21回ロンドン・レインダンス映画祭(9月25日~10月6日開催)への正式出品が決定している。
「りんごのうかの少女」は、12月7日から東京・渋谷ユーロスペースでレイトショー公開。