宮崎駿監督、引退会見に報道陣600人!1時間40分の熱弁で“大団円”迎える
2013年9月6日 16:48
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[映画.com ニュース] 長編映画の製作からの引退を発表した宮崎駿監督が9月6日、東京・吉祥寺で「引退会見」を行った。会見に駆けつけた報道陣は約600人。国内はもとより、13の国と地域の海外メディアも来場するなか、「何度もやめると言ってきたので『どうせまただろう』と言われるが、今回は本気です」と宣言。予定時間を大幅にオーバーし、約1時間40分にわたり、引退に至る経緯と思いを吐露し、日本中が注目した巨匠の幕引きは大団円を迎えた。
引退を決意したのは、最新作「風立ちぬ」が完成した後だといい、「そもそも(ジブリを)こんなに長く続けるつもりもなかったし、年齢的にも作品づくりに集中できる時間は減ってきた」と理由を説明。同作完成後には、一部インタビューで「時代に追いつかれたと感じた」と発言したが、会見では「その点と、引退は関係ありません」と断言していた。
今後の活動については「以前からやろうと思っていることがあり、それはアニメじゃありません。実際に何をやるか? 今言って、実現しなかったらみっともないので、言いません。それに私は文化人にはなりたくない。町工場の親父でいたいんで」と説明。今後、製作されるスタジオジブリの長編作品には「関与することはありません」といい、「ボランティアという形で、展示品にはかかわりたいですね。まあ、自分が展示品になってしまうか(笑)」と三鷹の森ジブリ美術館への参加には前向きだった。
会見には宮崎監督をはじめ、鈴木敏夫氏(スタジオジブリ代表取締役プロデューサー)、星野康二氏(スタジオジブリ代表取締役社長)が同席。宮崎監督の引退は9月1日(現地時間)、最新作「風立ちぬ」がコンペティション部門に選出されている第70回ベネチア国際映画祭の公式会見で、星野社長が発表していた。
鈴木プロデューサーによれば、高畑勲監督の最新作「かぐや姫の物語」(11月23日公開)に加えて「来年夏をめどに、もう1本作っている」といい、「ジブリの今後は、今ジブリで働いている人たちの問題。彼らがどう考えているかで決まるんじゃないか」(鈴木プロデューサー)。宮崎監督は「やっと“重石”がなくなるんだから、若い人の声が鈴木さんに届けばいい。この人は門前払いする人じゃないから。要は彼らの能力、意欲、希望にかかっている」とスタジオジブリの未来に期待を寄せた。
自身のキャリアを振り返り「達成感も後悔もなにも、そういう総括はしてこなかった。振り向かないようにやっているので(笑)。よく『同じことを繰り返している』とは言われるが、自分では同じことをしないつもりでやってきた」と語る宮崎監督。特に印象に残っている作品を聞かれると「とげのように心に残っているのは、『ハウルの動く城』。ゲームの世界をドラマで描こうとしたから苦労した。僕自身、児童文学に影響を受けて成長したし、常に『この世は生きるに値するんだ』という思いが作品の根幹に合った。監督からのメッセージというよりは、自分自身が(児童文学から)受け取り、受け継いだもの」と話していた。
映画監督というポジションに関しては「監督になって良かったと思ったことはない。やろうとも思っていなかったし。アニメーターになって良かったと思うことは、何度かありますが……。やっぱり監督って、判決を待たないといけない。それにいろんなわからない打ち合わせがあるでしょ、音楽のこととか。その戸惑いは『風立ちぬ』まで、ずっと引きずっていました」と本音を明かした。
現在公開中の「風立ちぬ」は、宮崎監督の5年ぶりとなる新作長編アニメーション。幼い頃からの夢を実現させ、飛行機の設計技師になった主人公・堀越二郎が、戦争へと突入する激動の時代に、「美しいヒコウキを作りたい」という純粋な思いと裏腹に、世界屈指の戦闘機であるゼロ戦を生み出した“矛盾”と向き合う姿を描いた。
宮崎監督にとっては、実現しなかった企画も「山ほどある」というが、「それも、やらなかったり、やっちゃいけなかったり、理由があったんだと思う。やめると言った以上は(実現しなかった企画について)他人に語るものではない」。最後に「長い間、お世話になりました。二度とこういう機会はないと思いますが、ありがとうございました」と報道陣に挨拶し、隣に座る鈴木プロデューサーと握手を交わした。
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