綾野剛も称賛「シャニダールの花」衣装デザイナー澤田石和寛に迫る

大学在学中から衣装デザイナーとして活動を始め、現在は真木よう子や高良健吾のスタイリストも務める澤田石の経歴には、三池崇史監督「クローズZERO II」「十三人の刺客」、大友啓史監督の「るろうに剣心」、福田雄一監督の「俺はまだ本気出してないだけ」といった話題作が並ぶ。チェン・カイコー監督作「Caught in the Web」に参加するなど海外でも活動し、今後も北村一輝が主演する「KILLERS」や、「るろうに剣心」の続編「京都大火編」と「伝説の最期編」で衣装を手がけることが決まっている。

現在28歳の澤田石は、19歳の時に石井聰互監督の「DEAD END RUN」を鑑賞したことが、現在の仕事を始めるきっかけになったという。「あれから10年近く経ち、名前を石井岳龍へと変えた監督の作品に参加する機会を得ました。あのとき何も知らずにただ飛び込んだ映画館から始まり、石井監督の作品で衣装をやることがひとつのゴールだったのかもしれません」と、本作への思い入れを語る。

劇中に登場する衣装のほとんどを澤田石が作り上げたが、なかでも白衣の出来栄えに石井監督は「スペシャル！」と太鼓判を押した。「かっこいい白衣を着せたい」という監督のリクエストを受け、特別に仕立てられた1点ものの白衣を着こなした綾野は、「（綾野演じる）大瀧はスタイリッシュで風を受けるような感じ、（黒木演じる）響子は丸みを帯びた白衣のデザインにしていて、その衣装を着てどんな演技をしてくれるんだ、と挑戦されているようだった」と語る。

澤田石と綾野の出会いは「クローズZERO II」までさかのぼり、現在では公私ともに付き合いがあるという。澤田石は人気絶頂の綾野に「今、あんな綺麗な男は他にいないと思う。美しさの塊ですよね」と惜しみない賛辞を送る。一方、綾野も澤田石が手がけた本作の衣装について、「本当にすごい。全てのパワーをぶつけてやり切りたかったんだと思う」と称賛し、お互いを認め合う仲であることがうかがえる。

「シャニダールの花」は、選ばれた女性の胸に咲く、謎の花“シャニダール”に翻ろうされる男女の運命を描いたリアルファンタジー。7月20日から全国で公開。