小津安二郎の「東京物語」ニューデジタルリマスターで初BD化 比較映像を公開
2013年7月1日 16:30
[映画.com ニュース] 名匠・小津安二郎監督の不朽の名作「東京物語」を最新の技術で修復したニューデジタルリマスター版のブルーレイ&DVDが、7月6日に発売される。映画.comでは、修復前と後の映像の違いを比較した特別映像を独占で入手した。
子どもたちを訪ねて尾道から上京した老夫婦の姿を軸に、戦後日本における家族の崩壊を描いた小津監督の代表作。2012年、英国映画協会発行の「サイト・アンド・サウンド」誌で世界の映画監督が選ぶ「世界一の映画」の1位にも輝き、小津監督の生誕110年、没後50年となる今年、山田洋次監督がオマージュを捧げた「東京家族」を手がけたことも記憶に新しい。
「東京物語」のブルーレイ化は今回が初めて。12年にNHK BSで放送された際に使用された、4Kスキャニングによるデジタル修復を実施した放送用HDマスターをさらにブラッシュアップ。今年のベルリン国際映画祭ベルリンクラシック部門で上映された最新のニューデジタルマスターを使用した。小津監督の狙いを忠実に再現するため、小津監督の下で撮影チーフ助手を務めた川又昂氏が監修。スキャニングした1コマ1コマに対して、細かな傷消しや色調整を施した。サウンド面も同様に、小津監督作で監督助手を務めた経験を持つ田中康義氏が監修し、松竹作品の修復をすべて手がけている清水和法氏の修復で、ノイズなどが除去され、セリフがより聞き取りやすくなっている。
ブルーレイの価格は税込み4935円。初回限定特典(5000セット限定)として、特製アウターケースとシナリオ写真集が付属。同時発売のDVDは税込み2940円。
また、これにあわせて「お早よう」「秋刀魚の味」「お茶漬の味」など小津監督作全20作品(うち8作品が初単品化商品)が税込み2940円で同日DVD発売。山田監督の「東京家族」も同日にブルーレイ&DVD(それぞれに豪華版、通常版あり)が発売される。
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