21年ぶり来日のダスティン・ホフマン、感極まって男泣き!
2013年4月8日 20:25

[映画.com ニュース] 米俳優ダスティン・ホフマンが4月8日、初監督作「カルテット!人生のオペラハウス」を引っさげ21年ぶりに来日し、シニア混声合唱団「ムジカおさらぎ」や世界的なオペラ歌手・中丸三千繪らをゲストに迎えたジャパンプレミアに出席した。撮影に協力してくれた音楽家たちに、「アメリカは年老いたミュージシャンにリスペクトがなく、彼らは20年間仕事がないと言っていた。彼らは朝の6時に現場に来て、ずっと撮影に付き合ってくれた。僕は彼らから素晴らしい贈り物を受け取ったし、彼らにも新しい人生という贈り物ができたと思う」と述懐し、感極まって目に涙を浮かべていた。
「戦場のピアニスト」「潜水服は蝶の夢を見る」などで知られる、脚本家ロナルド・ハーウッドによる戯曲を映画化。引退した音楽家たちが暮らす老人ホームで平穏な余生を送っていたレジー、シシー、ウィルフのもとに、野心とエゴで周囲を傷つけ去っていった元カルテットメンバー・ジーンがやってくる。4人はホーム閉鎖の危機を乗り越えるため、伝説のカルテット復活のため再び力を合わせる。
「ムジカおさらぎ」は、本作のテーマ曲でもあるジュゼッペ・ベルディのオペラ「椿姫」から「乾杯の歌」、中丸はジャコモ・プッチーニのアリア「歌に生き、恋に生き」を生披露し、会場を大いに沸かせた。中丸は、「オペラ歌手の生々しい現実を描いてくれた」とホフマンに花束を贈呈。ホフマンも、「皆さん本当に素晴らしかった。でもひとつ悲しかったのは、この中で1番年をとっているのが僕ということ。(客席を見渡し)僕が『卒業』をやった頃から皆さんいらっしゃったと思うから、時間が経つのは早いものだね」と冗談交じりに挨拶した。
75歳にして初監督に挑戦する決め手となったのは、「オファーを受けて迷っている時に妻に相談したところ、『もしこの作品をやらないのなら、私はあなたと別れるわ』と言われたんだ。だから僕は、『成功しなかったら僕があなたと別れる』と返したよ」とニッコリ。キャストには本物の音楽家たちを多数起用し、「演技をしたことのない歌手たちには、『演技をしなくていい』と言ったんだ。現場に来て感じていることをそのまま映像に、老いるということはどういうことなのかを全部見せようと思ったんだ。だけど、目が見えにくくなったり耳が聞こえづらくなったりしても、気分はセクシーなんだよ」と茶目っ気たっぷりに笑った。映画の見どころを聞かれると、「僕はiPhoneを持っているんだけど、たまにカメラを使う時にリバースになっていて、『変な老人が写っているぞ』っていうと自分だったりする(笑)。この映画はまさにそういう映画」とユーモラスに語った。
ジャパンプレミアには、ホフマンの初監督作を心待ちにしていたという俳優の辰巳琢郎や朝丘雪路、91歳の現役ピアニスト・室井摩耶子氏、叶姉妹ら著名人も数多く来場した。「カルテット!人生のオペラハウス」は、4月19日から全国で公開。
(C)Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012
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