森見登美彦氏の人気小説「有頂天家族」がテレビアニメ化 7月放送開始
2013年3月21日 10:00

[映画.com ニュース] 人気作家・森見登美彦氏の小説で2008年本屋大賞3位にも選ばれた「有頂天家族」が、テレビアニメ化されることになった。森見作品おなじみの京都を舞台に、タヌキと天狗と人間が入り乱れて繰り広げられるコメディドラマで、7月から放送を開始する。
フジテレビ「ノイタミナ」枠でテレビアニメ化され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した「四畳半神話大系」をはじめ、直木賞候補に挙がった「夜は短し歩けよ乙女」、日本SF大賞を受賞した「ペンギン・ハイウェイ」など、多数の人気作品をもつ森見氏の代表作のひとつ。京都下鴨神社の糺(ただす)ノ森に暮らすタヌキの一家・下鴨家の三男・矢三郎は、偉大な父の総一郎がタヌキ鍋にされて他界して以降、「面白きことは良きことなり」をモットーとし、生真面目な長兄、蛙の姿で井戸にひきこもる次兄、臆病者の末弟、そしてタカラヅカ命の母に囲まれ暮らしていた。しかしある時、下鴨家を絶体絶命の危機が襲い、やがて父が鍋にされた真相が明らかになる。
「さよなら絶望先生」「じょしらく」で人気の漫画家・久米田康治氏が、自身の作品以外では初となるキャラクター原案を提供。富山を拠点とし、北陸地方が舞台の「true tears」「花咲くいろは」をはじめ、「TARI TARI」などの話題作を送り出しているP.A.WORKSがアニメーション制作を担当。同スタジオの旗揚げ時からのメンバーでもあり、「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」「東のエデン」で副監督を務めた吉原正行が、テレビシリーズ初監督を務める。シリーズ構成は「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「輪廻のラグランジェ」の菅正太郎。
吉原監督は、「プッと笑ってしまう登場人物たちの何気ない会話や兄弟個々の事情に目が潤んだり、原作を読んで面白いと感じたそれを、同じように感じることが出来る映像にしたい。ただただそんな思いで作品をつくっています」と意気込む。「タヌキである主人公たちのさまざまな思いは、私たち人間にも共通することばかりだと思います。一生懸命生きる、生きようとするこの家族を自身と照らし合わせて見て欲しい」と話す。
声優は主人公の矢三郎役に櫻井孝宏。そのほか諏訪部順一(長兄・矢一郎)、吉野裕行(次兄・矢二郎)、中原麻衣(末弟・矢四郎)、井上喜久子(母)、能登麻美子(弁天)が出演する。放送開始に先立つ6月16日には、物語の舞台でもあり、森見作品と縁の深い京都で先行プレミアイベントの開催も決定。日本最古の歴史と伝統をもつ歌舞伎劇場・京都四條南座で、アニメーション作品として初の先行上映会が行われる。詳細は公式サイト(http://uchoten-anime.com)で随時発表される。
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