「カレ・ブラン」予告で浮き彫りになる“社畜”と“家畜”の歪んだ世界
2013年2月3日 20:30

[映画.com ニュース] フランス映画批評家協会に輝いた、フランスの新鋭ジャン=バティスト・レオネッティ監督が描くSF映画「カレ・ブラン」の予告編が、このほど公開された。過激な描写の代わりに、絶望がまん延した社会を淡々と映し出し、“精神的な暴力”で見る者を襲う。
レオネッティ監督が、全体主義がもたらす不条理を冷徹な視点であぶりだした問題作。長編デビュー作ながら、ジョージ・ルーカス監督作「THX1138」(1971)、スタンリー・キューブリック監督の傑作「時計じかけのオレンジ」(71)などに通じるカルト色を放っている。
思考や感情が統制された近未来では、人類は“社畜”と“家畜”に分類されている。権威に忠実な“社畜”が“家畜”に弱者判別テストを施し、不合格者は人肉として“社畜”に消費される無情な社会が形成されていた。“社畜”として不自由ない生活を送っていたフィリップとマリーだが、やがてふたりの生活に溝が生まれていく。
予告編は、「袋の中に入ってみたい人は?」という意味深な言葉ではじまり、「全体主義」「自殺」「虚無」「暴力」という不穏なキーワードが並べられていく。非情な暴力が繰り返されなか、支配する者と支配される者の歪んだ関係が浮き彫りにされていく。
「カレ・ブラン」は、今春に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

ファンファーレ!ふたつの音
【本作、良い映画ではないです。最高に良い映画です】“ほっこり系”と油断してた…感情が持ってかれた
提供:松竹

これ観てない人、マジもったいない!!
【夏に観逃したという人へ…】まだ間に合う!むしろ今こそ映画館へ【知れば絶対に観たくなる7の事実】
提供:東宝東和

4歳の息子が誘拐された。
【しかし、誘拐犯が死体で見つかった】警察は息子に疑いを向ける…衝撃の極限ヒューマンサスペンス
提供:東映

個人的・下半期で観たい映画No.1
映画ファンがこぞって「絶対観る」と決めてるの何で!? 全員主役級がクセ激烈の異常者に…
提供:ワーナー・ブラザース映画

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント