北村一輝が魅せるだまし合いサスペンス「ナイトピープル」 リアルな男女観も吐露
2013年1月24日 14:00
[映画.com ニュース]直木賞作家・逢坂剛氏のサスペンス小説を映画化する「ナイトピープル」が、2013年1月26日から公開される。ドバイ国際映画祭で特別賞を受賞した「休暇」(07)などを手がけ、その重厚な演出で高い評価を集める門井肇監督がメガホンをとり、「テルマエ・ロマエ」(12)、「莫逆家族 バクギャクファミーリア」(12)など話題作への出演が続く北村一輝。脚本を一読してすぐに出演を決めたという北村に、本作への思いと役者としての今の気持ちを聞いた。
短編小説「都会の野獣」を映像化した本作。街の片隅にあるバー“ナイトピープル”を営む木村信治(北村)は、ある日現れた知的な美女・杉野萌子(佐藤江梨子)に心ひかれていく。しかし萌子には2億円強奪の前科があるのだと、刑事を名乗る男・曾根(杉本哲太)に告げられる。事件の真相、登場人物それぞれの過去、そして原作にはないどんでん返しの連続が見る者をスリリングに魅了する、ハードなクライムサスペンスだ。
もともとサスペンス好きだという北村は、物語の見どころをこう語る。「登場人物同士のだまし合い、最後までわからない展開が面白いところだと思いますね。演じる僕らとしては、お芝居のちょっとしたニュアンスをどう見せられるかだけを意識しました。思わせぶりな感じとか、目線や手の動きの細かい芝居をどう見せられるか。あとはどういう見せ方、だまし方に撮っていくかは監督にゆだねましたね」
北村が演じた寡黙なマスター・木村、徐々にベールがはがれ出す杉野、その杉野につきまとう曾根。それぞれが謎の多い役どころだが、中でも杉野は女であることを最大限に利用した巧妙な手口で、周囲をだましていく。
劇中の杉野を例に挙げ、精神面で女性は強い生き物だと思うかとたずねると、北村は「強いと思います。世の中の男はみんな女性の子どもじゃないですか。自分を産んでくれた人には勝てないですよね。オスはメスに勝てないです」と笑う。そして男の弱さについても触れ、「男が威張ったりするのは、元々が弱いからだと思います。強くなろうとするから、強さの証明である筋肉を見せたがったり男らしさを示したりする。元から強い人は強く見せようとはしないですよね。だから基本的に女の人には勝てない」と、鋭い男女観も明かした。
また、注目作への出演が続く現状には改めて喜びを示し、「プロフェッショナルが多くてパワーがあふれている現場が面白い。周囲の人を見て『こんなやり方をするんだ』と感じられる瞬間が好きなんです」と現場への愛も口にする。そして役者として貪欲な姿勢も見せ、「先輩から学ぶことも多いですけど、若い子から学ぶことの方が僕は多いかもしれないですね。格好よくて新鮮な発想もいっぱい出てきますから。演技だけじゃなくて色々な感覚すべてにおいて、新しいものを作るというのは若い時代、若い世代のことだと思っています。だから僕はそこをよく見るようにしていますね」と更なる意欲をのぞかせた。
「ナイトピープル」は1月26日から全国で公開。
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