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中村勘九郎、亡き父・勘三郎さんの遺志継ぐ「赤坂大歌舞伎」に決意新た

2013年1月21日 16:30

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中村勘九郎「赤坂大歌舞伎」に意気込み
中村勘九郎「赤坂大歌舞伎」に意気込み

[映画.com ニュース]歌舞伎俳優の中村勘九郎が1月21日、弟の中村七之助とともに出演する「赤坂ACTシアター5周年シリーズ 中村勘九郎襲名記念『赤坂大歌舞伎』」(3月8~24日上演)の製作会見を都内で行った。昨年12月5日に急性呼吸窮迫症候群で他界した父・中村勘三郎さん(享年57)が2008年、10年と開催してきた舞台を、息子2人で継承することに対し、勘九郎は「プレッシャーはないです。赤坂大歌舞伎という父が切り開いた道を、僕らが耕し豊かなものにしなければ。きっと父も喜んでくれていると思う」と決意を新たにした。

演目は、三遊亭円朝の口演による怪談話を原作とした「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」で、4年前には勘三郎さんが歌舞伎座で披露。今回、亡き父の意志を継いだ勘九郎は絵師、下男、悪党など複数のキャラクターを演じ分け“早替わり”に挑む。勘九郎本人も「思い入れが強い演目で、私自身も子どもの頃からあこがれていた」。本物の水を使った歌舞伎の“ケレン”を堪能させる演出も見どころで、「確かにエンタテインメント色が強いが、芝居やストーリーがしっかりしていないと、単なるショーになってしまう。父がやったことのない1日2回公演もあるので、体が動ける限り頑張りたい」と抱負を語った。

絵師の妻・お関を演じる七之助は、「乳房榎はよく父が『どうだ、やりたいだろ?』と子どもの僕らに聞いてくるほどお気に入りの演目。僕らもシャワーを滝に見立てて、真似をしていた(笑)」と幼少期を述懐。「赤坂大歌舞伎をきっかけに、歌舞伎に興味をもつお客さまが増えれば。4月には歌舞伎座も新しくなりますし、たくさんのお客さまが来てくだされば、父への親孝行になる」と思いを馳せた。

物語のカギを握る浪人・磯貝浪江を演じる中村獅童は、「歌舞伎界の父がいない僕にとっては、勘三郎のお兄さんは師匠であり、恩人であり、愛する先輩。思い出は限りないし、今回3人で勘三郎さんが愛した演目に出演できるのが何よりうれしい」と感無量の面持ち。NHK大河ドラマ「八重の桜」の撮影も始まっており、当初はスケジュールの問題で出演を断念したが「父のお通夜に来てくださった時に『何が何でも出る』とおっしゃってくれた。本当に感謝です」(勘九郎)。獅童も「何よりおふたりとの共演が心強い。自分にとっては初めての赤坂が新たな一歩になるはず」と期待を寄せた。

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