山田洋次監督ら「東京家族」一同が新成人を祝福「自信がなくても大丈夫」
2013年1月13日 15:53
[映画.com ニュース] 山田洋次監督の81本目の監督作「東京家族」の大ヒット祈願および新成人祝福イベントが1月13日、東京・虎ノ門の金刀比羅宮で行われ、山田監督ほか、橋爪功、吉行和子、夏川結衣、妻夫木聡が、晴れ姿の新成人30人とともに参道を練り歩いた。
山田監督が映画監督生活50周年を機に、名匠・小津安二郎監督の「東京物語」(1953)にオマージュをささげた家族ドラマ。「東京物語」の舞台を震災後の現代に移し、老夫婦とその子どもたちの姿を通じ、夫婦や親子の関係、老いや死、普遍的な家族の絆を描き出す。
本殿で映画の大ヒットを祈祷後、神楽殿前で新成人を祝福するトークイベントが催された。山田監督は艶やかな新成人を見渡し、「時代が違うから今のお嬢さんたちには想像できないかもしれないけれど、僕が20歳の頃はいつもおなかが空いていた。『おなかいっぱい食べたいな』と朝から晩まで思っていた。それに何だか自信がない。だけど、自信がないってことは悪いことじゃない。自分を客観的に見ているということ。だから(当時の自分に)『自信満々よりも自信がない状態の方が質が良いんだよ』と言ってやりたい」と優しく語りかけた。
橋爪も自身の20歳の頃を述懐し、「すでに芝居の世界に入っていた。無口で繊細な青年だったけれど、付いたあだ名が“ムッツリスケベ”。当時の自分には『芝居なんかやめろ』って言ってやりたい」と冗談まじりに語った。吉行も、「あまりにも遠い昔だけど、劇団の研究生で毎日毎日希望に燃えていた。よくここまで半世紀以上、その気持ちをもったままきたなと、自分でも感心している」とほほ笑んだ。
妻夫木は、「20歳の頃はただ目の前のことに一生懸命だった。ずっと大河ドラマの主役をやってみたかったので、今となっては夢がかなったんだなと感慨深い」としみじみ。20歳の頃はモデルとして活動していた夏川は、「まさか女優になるとは思っていなかった。前へ前へと出るタイプではなかったので、もっと積極的に意思表示をしていけば良かったかなと思っている」と新成人にアドバイスしていた。
本作にちなみ、新成人から「ブイヤベース」や「キッシュ」などユニークな“おふくろの味”が紹介されると、キャスト陣は一様に驚いていた。料理好きだという妻夫木は、「代々受け継がれている妻夫木家の雑煮の味がある。僕の嫁さんになる人には受け継いでほしいなと思うけど、もう自分で受け継いじゃおうかなとも思ってる」と明かし、笑いを誘っていた。
また、本作は第63回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に正式招待されることが決定し、同映画祭常連である山田監督は「コンペでなくて特別上映だけど、1800人も入るホールでの上映だそうで良かった」と喜びを語った。さらに、本作のモチーフとなった「東京物語」のデジタルリマスター版も上映が決定しており、両作品にとって本映画祭がインターナショナルプレミアとなる。
「東京家族」は1月19日から全国で公開。
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