内田伸輝監督の商業デビュー作「さまよう獣」予告で恋にもがく男女
2012年12月12日 15:00
内田監督が脚本も兼ね、田舎町を舞台に繰り広げられる男女の愛の争奪戦を描いた商業映画デビュー作。「電人ザボーガー」(11)の山崎真実がヒロイン・キヨミ役で主演し、波岡一喜、渋川清彦、山岸門人が翻ろうされる男たちを演じた。森康子、田中要次、津田寛治らベテラン勢が脇を固めている。
あてもなく田舎町にやってきたキヨミは、ふとしたきっかけで出会った老女キヌの家に居候をはじめ、キヌが孫のようにかわいがるマサルと3人で、静かな食卓を囲むようになる。一方町の男たちは、突然現れた若い女性の存在に色めきたつ。そんなある日、キヌが倒れキヨミを追ってひとりの男がやってくる。
予告編は、のどかで美しい田舎の風景とは対照的に、意図せず色気を放ってしまう女と振り回される男の情けない姿をあぶり出す。「幸せって何だ?」というコピーが予感させるように、手探りでもがきながら懸命に生きようとする人間の本質に迫った。
東日本大震災を機に「日常」の意味を問い直した内田監督は、今作を「日常の積み重ねからの物語」だと説明。今作と同じく、恋愛に悩む女性に焦点を当てた「ふゆの獣」と比較し、「『ふゆの獣』では主人公の女性が恋愛依存中だったのに対し、『さまよう獣』は恋愛依存から必死に抜け出そうとする姿を描いた」と語っている。そして、「混沌とした世の中に疲れる毎日。そんなときはぜひとも、『さまよう獣』を見ていただければ、何らかの癒しになれば」と思いを込めた。
「さまよう獣」は、13年2月2日から全国で公開。
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