渡辺謙、フィルムを通して監督と語り合った「許されざる者」クランクアップ!
2012年12月5日 06:00

[映画.com ニュース] クリント・イーストウッド監督・主演作を、渡辺謙主演で日本映画としてリメイクする「許されざる者」(李相日監督)がこのほど、2カ月にわたってロケを敢行してきた北海道でクランクアップした。また、今作のポスター第1弾が完成し、初公開された。
第65回アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか4部門を戴冠した名作西部劇がオリジナル。今作は、江戸幕府崩壊後の北海道を舞台に、“人間の業”がにじみ出る時代劇として描かれる意欲作だ。渡辺は、イーストウッドが演じた主人公ウィリアム・マニーと同じ設定で、江戸幕府側の残党で幾多の志士たちを斬りまくった釜田十兵衛に息吹を与えた。新政府の追跡をかわしきった10数年後に主軸を置き、貧困ゆえに再び賞金稼ぎとして戦いに身を投じなければならなくなった十兵衛の姿に迫る。
撮影を終えた渡辺は、李監督との初タッグを「撮っている時も監督と細かい話ではなく、ひと言ふた言、話しただけなのですが、フィルムが回っている間中ずっと何か会話をし続けているような感覚があって。フィルムを通して監督と語り合っている感覚は初めてですね」と述懐する。さらに「強いか弱いか、ヒーローかアンチヒーローか、だけではなくて、十兵衛の中にあるものを音符として奏でないという、感情としてあまり表現しないところを監督も僕も狙っていた気がします。こう思ったからこう表現する、だけではないもの、その奥に何があるのか? みたいなことをいつも考えていました。それが大きなスクリーンを通し、どう伝わるか。僕は楽しみです」と手ごたえをにじませている。
渡辺と真正面から対峙(たいじ)した共演陣も、撮了を迎え感慨に浸っている。十兵衛のかつての相棒・馬場金吾を演じた柄本明は、「笑っちゃうほど本当に大変な撮影でした。半年、1年やっているような、そんな感覚でしたね。どんどん監督が大きくなっていくというか、巨匠になるだろうという予感は確信に変わりつつありますね。ナチュラル志向も良いけれど、そうじゃなくて李監督のもと、大きな作り物の映画づくりに参加できてうれしかったです」と振り返った。
オリジナルではジーン・ハックマンが務めた役で、大石一蔵に扮した佐藤浩市は「一蔵は非常にわかりやすい意味で、観客に“許されざる者”と受け止められる人物なのかもしれません。ですが、よくよく見ると案外違っていたりする。それが、この映画の面白いところでもあると思います。渡辺謙さんとこの時期、この年齢で、このキャリアで共演できたってことは、運命として良かったなと思います」とコメントを寄せた。
現場を鼓舞し続けてきた李監督は、「たくさんのスタッフとキャストが2カ月を超える撮影に費やした労力は、間違いなく映画の力となってフィルムに焼きついていると信じています。謙さんと長く濃い旅路をともにできたのも、監督冥利に尽きるというもの」と述懐。それでも、既に先を見据えている。「監督個人としては、感傷に浸るより撮影でやり残したものを、編集や仕上げ作業でどれだけ挽回できるかに気を向かわせねばならず、やり切ったと言うにはまだまだでしょう」と語っている。
「許されざる者」は、2013年9月13日から全国で公開。
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