俊英・内田伸輝監督が描く“震災後の東京” 「これを撮らずして次は作れない」
2012年11月30日 14:00

[映画.com ニュース]第13回東京フィルメックスが開催中の東京・有楽町朝日ホールで11月29日、同コンペティション部門に出品されている「おだやかな日常」が上映され、メガホンをとった内田伸輝監督と、主演でプロデューサーを務めた女優の杉野希妃がティーチインを行った。『ふゆの獣』で2010 年フィルメックス最優秀作品賞を受賞した内田監督の新作。震災直後の首都圏を舞台に、放射能の影響に不安を募らせる二人の女性の姿を描いている。
内田監督は「震災と原発事故を東京で経験し、ネットや報道を見ながら『このままで大丈夫なのか』と不安を覚えた」といい、「これを撮らずして、次の映画は作れないんじゃないか。どうしても作らなければいけないと感じた」と切実な思いを吐露。映画は子どもを放射能から守ろうとする母親の苦闘に光をあて、「子どもは未来であり、この映画はその未来を取り戻す映画」と力説した。内田監督は本作に続き、すでに新作「さまよう獣」(2013年2月2日公開)を完成させている。
杉野が内田監督と出会ったのは2011年1月のロッテルダム国際映画祭だといい、「その2カ月後に震災が起こり、6月に私の製作会社にオファーをいただいた」(杉野)。震災直後から、被災地のドキュメンタリーが数多く製作されるなか「福島から微妙に離れた東京は、何が危険で何が安全なのか非常にあいまいな土地。だからこそ、東京で生きるとは、人としてのあり方が問われるんだと思った」と東京を舞台にしたフィクションの必要性を感じたという。脚本が用意された上で、即興演技を求める内田監督の演出を「課題はいかにシナリオを破壊するか。役者として試される大変さはあったが、とてもチャレンジングだった」と振り返った。
東京フィルメックスは、メイン会場となる有楽町朝日ホールを中心に有楽町地区で12月2日まで開催。12月1日にはコンペティション部門出品の9作品から最優秀作品賞ほか各賞が発表される。
「おだやかな日常」は12月22日から東京・渋谷のユーロスペースほかで上映される。
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