李相日監督、新境地「許されざる者」で感じる手ごたえ
2012年11月21日 04:00
[映画.com ニュース] 李相日監督が手がける渡辺謙主演作「許されざる者」の撮影が、佳境に差し掛かっている。オール北海道ロケが敢行されている今作は、上川郡上川町に広大なオープンセットを設置し、寂れた宿場町を再現。根室でもロケを行い、今後は道内の原生林で冒頭シーンの撮影を経てクランクアップを迎える。これまで、ジャンルの枠にとらわれることなく手腕を発揮してきた李監督が、今作でどのような世界観を見せてくれるのかに大きな期待が寄せられている。
第65回アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか4部門を制したクリント・イーストウッド監督・主演作「許されざる者(1992)」を、日本映画としてリメイクする今作。名作西部劇と同じ設定の1880年、江戸幕府崩壊後の北海道を舞台に時代劇として描かれている。
李監督は、撮影現場で「相手が自然ですから、人力が及ばずもどかしくもあり、対峙してなんとかフィルムにしていかなくては。この経験は私の中でもなく、初めてのこと。ただ、悲観しているのではなく、良い意味で想像を超えたものが生み出され、映画の力になるかもしれないと期待もあります」とコメントを寄せている。
映画は、渡辺演じる江戸幕府側の残党で幾多の志士たちを斬りまくった釜田十兵衛の、新政府の追跡をかわしきった10数年後の姿に迫っている。報道陣に現場が公開された際には、佐藤浩市扮する、恐怖で街を統治する警察署長・大石一蔵に、一方的に殴る蹴るの暴行を受けるシーンの真っただ中だった。
渡辺と立ち位置について入念な確認作業を行った李監督は、「謙さんという人物と十兵衛というキャラクターの境目がなくなっていく瞬間を探している感じです」と話す。また、暴力描写が際立つ佐藤については、「まだイケるのでは(笑)? 一蔵という役を抑えていくのか、突き進んでいくのか。凶暴さとその裏側をどう探っていくのか、一番難しい役どころです」と絶大な信頼を寄せていることがうかがえる。一方の佐藤も、渡辺を殴る強さを再三にわたり確認する過程で「監督がもっと入れろ、入れろっていう顔をするんだよ」と苦笑いを浮かべる。
「69 sixty nine」の監督に抜てきされ、「フラガール」が第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞してからは、常に動向に注目が集まるようになった李監督。今作では、渡辺に「体力的にも肉体的にも、今まで見たことのない渡辺謙を見せたい」と伝えたという。李監督が思い描く渡辺がスクリーンに映し出されたとき、新たな名作が誕生することは間違いない。
「許されざる者」は、2013年9月13日から全国で公開。
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