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「桃(タオ)さんのしあわせ」ロングランヒット、シニア層に人気“終活映画”が続々公開

2012年11月20日 15:00

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「桃(タオ)さんのしあわせ」の一場面
「桃(タオ)さんのしあわせ」の一場面
(C)Bona Entertainment Co. Ltd.,

[映画.com ニュース] 第68回ベネチア国際映画祭主演女優賞受賞作で、アンディ・ラウがプロデューサーを務めた香港映画「桃(タオ)さんのしあわせ」が、10月13日の公開から中高年層を中心にロングランヒット続けている。老いて人生の終えんを迎えるメイドの主人公の介護と面倒を雇い主の息子が引き受け、真の母子以上の絆で結ばれていく様子を描いた作品だ。本作を始め、高齢少子化の現代に「いかに老いるか?」をテーマとした“終活映画”が世界各国で製作され、ヒットしている。

同作は、認知症の姑を介護する女性や独居老人を描いた作品など、老境に入った人物の物語を綴ることに長けた香港の女性監督アン・ホイが、プロデューサーロジャー・リーの実体験を基に製作。アンディ・ラウが共同プロデューサーを務め、ノーギャラで出演した。2011年の国別平均寿命で男女ともに世界1位、超高齢化社会となった香港でも日本同様にどのような余生を送るかは切実な問題となっており、本作は中華圏の映画祭で主要部門を多数受賞、15億円以上のメガヒットを続けている。

日本でのヒットをBunkamuraル・シネマ江熊支配人は、「泣かせようとする大げさな演出のない、淡々としたこの作品が多くのお客様に受け入れられたのは、日本人にも通じる万国共通のテーマを、丁寧に描いたからでしょう」と分析する。

同作のほか、11月に入ってからは、人生の終わりを考え始めた男女が共同生活を始めるフランス映画「みんなで一緒に暮らしたら」がスマッシュヒットを記録中。ほか、シニアの愛と友情を描いた韓国映画「拝啓、愛しています」が12月、来年2月には、高齢の男女が、人生の再出発の場としてインドのホテルに集うイギリス映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」が公開される。また、シルバー世代の新たな生きがいを描いた作品として、徳島で“葉っぱビジネス”に奮闘する女性たちの実話を映画化した「人生、いろどり」も注目を集めた。

どんな人間にも老いは等しく訪れる。高齢化社会を迎えた現代で“終活映画”は、静かなブームを呼んでいるようだ。「桃(タオ)さんのしあわせ」は公開中。

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