「かぞくのくに」アカデミー賞外国語映画賞日本代表に!女性監督では初
2012年9月5日 08:00
[映画.com ニュース] ヤン・ヨンヒ監督の最新作「かぞくのくに」が、第85回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品に選出された。女性監督としては、初の快挙。「ディア・ピョンヤン」「愛しきソナ」で高い評価を得たヨンヒ監督が、実体験をもとにオリジナル脚本を書き上げた。キャリア初のフィクション作品が、日の丸を代表してノミネートに名を連ねるかに大きな注目が集まる。
ヨンヒ監督は「驚いています。おじけづく心を押さえ込んで闘った昨年の夏を思い出します。スタッフを信じ、俳優陣を信じ、自分を信じようともがきました。家族に会うという当たり前のことを手放してまでも世に出した作品」と撮影時を述懐。そして、「『かぞくのくに』が人々のなかで、世界中のさまざまな家族について思いを馳せる触媒となることを祈ります。これからも魂を込めて作品をつくり続けていこうと思います。大きな叱咤激励をありがとうございました」と喜びのコメントを発表した。
8月4日に公開された今作は、1950年代から始まった北朝鮮への帰国事業が背景にある、意欲的なホームドラマ。病気療養のため、25年ぶりに日本に帰ってきた兄ソンホ(井浦新)が、妹のリエ(安藤サクラ)や家族、友人らにもたらす静かな“波紋”を描く。第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にも出品され、国際アートシアター連盟賞を受賞している。
昨年のアカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品は、故新藤兼人監督作「一枚のハガキ」。外国語映画賞を受賞した、滝田洋二郎監督作「おくりびと」以来となるノミネートが実現するのか、今後の動向から目が離せない。
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