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おばあ3人が市場再生をかけラップに挑戦!「歌えマチグヮー」新田義貴監督に聞く

2012年8月24日 18:37

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沖縄の“愛×笑い×音楽”を凝縮!
沖縄の“愛×笑い×音楽”を凝縮!
(c)ユーラシアビジョン

[映画.com ニュース] 沖縄・那覇の小さな商店街「栄町市場」の再生の姿を記録したドキュメンタリー「歌えマチグヮー」が、8月25日から公開される。仕事の赴任先として訪れたことがきっかけで沖縄の魅力に引き込まれ、住民票まで移してしまったという新田義貴監督に、作品へ込めた思いを聞いた。

舞台は60年もの歴史を持ち、わずか4000坪のアーケード街に120もの店がひしめき合うマチグヮー(市場)。かつて好景気でにぎわった時代もあったが、沖縄の本土復帰以降は大型スーパーなどの勢いに押されて活気を失っていた。10年前、「再開発計画」が持ち上がる。マチグヮーを守るため、住民の間に息づく文化を守るため、3人のおばあと若者たちは音楽を通して再生活動を開始することになった。地域が一丸となって物事を作り上げて行くたくましい姿が、見る者に勇気を与えてくれる作品だ。

数々のTVドキュメンタリーを手がけてきた新田監督
数々のTVドキュメンタリーを手がけてきた新田監督

「栄町の人に恩返しをしたいという思いが出発点なんです」と、新田監督はカメラを回し始めたきっかけを明かす。東京で生まれ育ち、人生の大半を都会で過ごしてきた新田監督にとって、マチグヮー文化との出会いは様々なことを教えてくれる存在だったという。「キレイごとのようですけど、本当にそういう気持ちでつくった作品なんです。栄町の人たちと一緒にいるだけで、人とのつき合い方や社会の回り方など、いろんなことが見えてくる。そういう様子を目の当たりにしながら、人間としての生き方を正してもらえるような気持ちになるんですよね。自分にできることは何もないので、せめて映像作品をつくって残してあげたいなと思って撮り始めたんです」

映画の軸は、栄町の住民たちが市場への思いをラップに乗せて歌うオリジナルCDを制作する過程を追ったもの。沖縄の人にとって音楽はとても身近なのだと思う、と新田監督は感慨深げに語る。「あの市場で音楽がキーワードになったのは、栄町にミュージシャンがいたことではない。もちろん起爆剤にはなりましたけど、やはり大きな要因は、三線や歌がうまい普通のおじい、おばあがいたことだと思います。東京ではそういうことって、なかなかないですよ(笑)」

外からやって来た人間だからこそ描ける沖縄。主観でも客観でもない、独特の温もりにあふれた本作は、震災後の日本に元気を与えられるはず、と新田監督は力を込める。「この映画は沖縄だけの話ではなく、“コミュニティの話”だと思っています。被災地の人はもちろん、現在も避難生活を続けている人や新たな街づくりに取り組んでいる人、そして多くの日本人に見てもらい、何かを感じてもらえたらと思っています」

歌えマチグヮー」は渋谷シアター・イメージフォーラムで8月25日~9月21日公開(沖縄・桜坂劇場では10月6~26日)。8月25日初日に舞台挨拶、26日はミニライブあり。

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