高倉健、ファン3000人総立ちに「感動しています!」
2012年8月21日 19:43
[映画.com ニュース] 俳優の高倉健が8月21日、都内で行われた主演映画「あなたへ」の完成披露試写会に出席。高倉にとって約6年ぶりの銀幕復帰作のお披露目とあって、共演の田中裕子、草なぎ剛、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督という日本映画界を代表する面々が顔をそろえた。
高倉が姿を現すと、ひと目見ようと駆けつけたファン約3000人は総立ちで出迎え。高倉は、鳴り止まぬ拍手に「こんなに大勢……。感動しています!」としぼり出すのがやっとの様子だ。それでも、「とても緊張しています。一生懸命やりました。降旗監督がどういうメッセージをこめたのか、主演でありながら最近ようやく分かってきました。情けない俳優です。皆さん、楽しんでご覧ください」と場内を見回しながら、深々と頭を下げた。
「夜叉」以来の共演となったのは、田中とたけし。田中が「27年前もそうでしたが、今度もまたまた緊張の連続でした。本当に貴重な3時間を過ごさせていただきました」と話すと、高倉は真摯な眼差(まなざ)しで目礼。たけしは、「健さんが『夜叉』の撮影中に椅子に座らないってことをオレがラジオで言っちゃったもんだから、こないだ『あんたのせいでオレは座れなくなった』と言われちゃった」とユーモアたっぷりに話すと、「全部タケちゃんの作り話です。本当に迷惑しています」と返し、客席の笑いを誘った。
高倉とタッグを組むのが20作目になった降旗監督は、「健さんは僕のアイドル。これまでアイドル映画を撮ってきたんだなと思った。もう1回、アイドル映画を撮りたいですね」と語ると、ファンからは大きな拍手がおくられた。
今作は、富山刑務所の指導技官・倉島英二が亡き妻の生前の真意を知るため、妻の故郷である長崎・薄香港へキャンピングカーで旅する姿を描く。ストーリーに沿う形で、富山を皮切りに岐阜、兵庫、福岡、長崎でのロケを敢行し、高倉の総移動距離は約9050キロにも及んだ。
「あなたへ」は、8月25日から全国で公開。