19歳にして本格派、神木隆之介がたどり着いた境地
2012年8月13日 19:00

[映画.com ニュース] いつの間に見る者の心をこんなにざわつかせる役者になったのだろう。神木隆之介は“成長期”などという枠に収まりきらない変貌を遂げ続ける。8月11日に公開した映画「桐島、部活やめるってよ」では、等身大のさえない男子高校生の姿を通じて瑞々しく、甘く、そして残酷な刺激を発信する。高校生活最後の冬に撮影された本作で、己と向き合ったという神木がその先に見たものとは何だったのだろうか。(取材・文・写真/黒豆直樹)
原作は朝井リョウ氏が早稲田大学在学中に発表し、新しい時代の青春群像劇として衝撃をもって受け止められた同名小説。バレー部のキャプテンを務める、学校の“スター”桐島の突然の退部をめぐるウワサに端を発し、同じ学校にいながらも全く異なる立場にいる学生たちの内面が浮かび上がっていく。
誰が決めたわけでもないのに、厳然と校内に存在するヒエラルキー。神木が演じる映画部の学生・前田は、いわばその最も“下”の層にいるが、カメラを通して果敢に世界に戦いを挑む。「演じている最中は一心に前田になりきって、前田として相手の言葉に何を感じ、どう反応するか。ただそれだけを考えていた」と語る神木。だが、改めて完成した作品を見た時に感じたのは「これまでに感じたことがないような激しい痛み」だったという。
「正直、見ていて苦しかったです。僕自身が逃げていたことに対して『こっちを向け』と言われているような気がしました。学生の頃は楽な方に逃げて、自分と向き合うことを避けていたところがあったと思います。特に今回の撮影中はまだ高校生で、完成した作品を見たのはちょうどこの春に卒業して社会人になったタイミングだったこともあり、余計そう思ったのでしょうね。『よし、これから頑張ろう』って気持ちでいながら、どこかで逃げたままの自分を無意識にズルズルとひきずっていて、そんな時にガチっと首をつかまれて正面を向かされたような……。逃げたままでいることもできたろうし、この作品に出合わなければそのままだったかもしれないけど、いまは『いつか向き合わなきゃいけないことだったんだ』と思えます。本当に怖かったですが(苦笑)」

クライマックスの屋上でのシーンでは、これまで交わることのなかった異なる“階層”の生徒たちが交錯し、前田の言葉をきっかけにそれぞれに抱えてきた思いを爆発させる。「原作のこのラストシーンに感動し、ここにたどり着くためにそれまでのシーンを積み上げてきた」とは、メガホンをとった吉田大八監督。神木はこのシーンが語りかけるものをこんな言葉で表現する。
「学校という閉鎖された空間で、この時だからこその葛藤というのを誰もが持っている。16歳、17歳、18歳の高校生活の頃というのは、将来のことや物事についてもう考えている人、まだ何も考えてない人、少しずつ気づき始めている人が混在してバランスが崩れ始める時期。見る人によっていろんな解釈があるけど、いま自分がどこに立っているのか? これから自分がどうするのか? と考えるきっかけを与えてくれると思います。その意味で“希望”を描いているとも言えるかもしれませんね」
神木もまた、希望を胸にこれから出会うであろう新たな自分に思いを馳せる。これから演じてみたい役を尋ねると、屈託のない笑みとともにこんな答えが返ってきた。「サラリーマンをやってみたいですね。同世代に社会人1年目で働いている人もいますが、社会に出て働く男を演じてみたいです。スーツも着たいし、学生とはまた違った制服を着てみたいなとも思います」
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