西川美和監督書き下ろし小説も収録の「夢売るふたり」メイキングブック発売
2012年8月12日 19:45
[映画.com ニュース] 松たか子と阿部サダヲ主演「夢売るふたり」の公開を記念し、メガホンをとった西川美和監督の書き下ろし小説「みどりの春」を収録したメイキングブック「夢売るふたり 西川美和の世界」(文藝春秋/1680円)が発売された。
映画は、西川監督が取材を重ねて書き下ろしたオリジナル脚本で、東京の片隅で小料理屋を営んでいた夫婦(松、阿部)は、火災ですべてを失う。再出発のためふたりは、妻が見つけた女を夫がだますという結婚詐欺を計画。しかし、夫婦で詐欺を繰り返すうち、ふたりの間にはすれ違いが生じてしまうという物語。
書き下ろし小説「みどりの春」は、映画では描かれなかった結婚詐欺にあう一人の女性のエピソードを描いた。西川監督は「小説『みどりの春』は映画の中には登場しない、“ある女たち”の話です。 女のひとは複雑で、厄介で、優しい生き物だと、この映画とこの小説を書いてますます思うようになりました」と作品のテーマを振り返る。
松、阿部ら出演陣インタビュー、糸井重里との対談、撮影日誌、絵コンテ、脚本の一部、“西川美和への100の質問”など映画と西川監督を徹底分析した同書に、西川監督は「自分としては照れくさいタイトルの本ですが、 たくさんの人が汗を流してこしらえてくれた『夢売るふたり』という映画の記念碑的な読み物になっていることはうれしく思います。書き物の名手達がこぞって読み応え十分の寄稿を下さっていますが、それらを読むと作品の生みの親であるはずの私の中にも驚くべき発見があるからふしぎです。 まさに、観る人の中にこそ、物語と世界は在るのだ、と思わされます」(原文ママ)とコメントを寄せている。
「夢売るふたり」は、9月8日から全国で公開。