エミー賞に向けた宣伝合戦が激化
2012年7月4日 22:00
[映画.com ニュース] 米テレビ界で最高の栄誉とされるエミー賞獲得のために、テレビ局やスタジオが大金を投じた宣伝合戦を繰り広げていると、The Daily Beastが報じた。
エミー賞は、米国テレビ芸術科学アカデミー(ATAS)に所属する1万5280人の投票によって決まるテレビ賞で、なかでも夜間に放送される人気番組を対象にしたプライムタイム・エミー賞は最高峰とされる。ノミネートの獲得やエミー賞の受賞は番組の知名度アップにつながり、経済的なメリットも大きいため、テレビ局や制作会社は毎年ATAS会員に向けて宣伝合戦を繰り広げる。業界紙やビルボードでの広告はもちろん、海辺の高級住宅地であるマリブ上空に飛行機雲で番組名を記すなど、大金を投じたキャンペーンも珍しくなく、テレビ業界が毎年エミー賞対策に投じる宣伝費は、3000万ドルとも4000万ドルともいわれている。
意外に知られていないのが、エミー賞への出品コストだ。ATASは会員名簿を一般公開していないため、テレビ局や制作会社が審査用DVDを会員に送付したい場合は、ATASに出品料を支払わなくてはならないという取り決めになっている。ATASは1話あたり1500ドルを徴収しており、そのうえ出品者はATASが指定する運送会社を利用しなくてはならず、もちろんDVD製作代や運送代も負担しなくてはならない。有名賞で出品者に課金しているのはエミー賞だけで、こうしたATASの姿勢を批判する声も少なくないが、エミー賞が欲しい制作サイドはATASの条件に甘んじるしかないという。
今年のプライムタイム・エミー賞のノミネート発表は7月19日、授賞式は9月23日(いずれも現地時間)に行われる。
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