ジブリ配給、珠玉の影絵アニメ「夜のとばりの物語」 ミシェル・オスロ監督に聞く
2012年6月29日 17:00

[映画.com ニュース] 三鷹の森ジブリ美術館とスタジオジブリが配給、「キリクと魔女」「アズールとアスマール」など、エキゾチックな舞台で愛をテーマにしたアニメーションで知られるミシェル・オスロ監督の新作「夜のとばりの物語」が6月30日に公開する。今作では中世ヨーロッパ、カリブ、アフリカ、南米、ヒマラヤなど、時代や地域を超えた美しい愛の物語6編を、3Dの影絵で描き出す。
はるか昔から語り継がれてきたような普遍的な愛をつづったエピソードと、光と影とが織りなす色彩美。美しいおとぎ話を創作しつづけるオスロ監督の原点は幼少期にあるという。
「今現在していることは10歳だった頃にしていたこととそれほど変わらないという気がしています。自分は非常に感受性の強い方だと思うのです。割と簡単に人のために自分が苦しんだりすることがあり、不公平なことや暴力は許せません。そういったことが物語を自分に語らせる原動力となっています。自分が感銘を受けたことや感じたこと、もう一つは民話など伝統的な物語の中に何か引っかかるもの、想像力をかきたてるような要素がある、それがインスピレーションの源になっています」
これまでの作品も世界の様々な地域を舞台にし、その土地その土地の文化や風俗を物語の中に取り入れているが、それは多様性を知ってほしいという思いからだ。
「様々なものに興味を持つ、それは自然なことなのではないでしょうか。比ゆ的に言えば、お菓子屋さんに入った食いしん坊の男の子のようなもので、1種類のキャンディーだけにこだわらず、いろいろと試したくなると思うんです。子どもたち、大人に対しても、非常に豊かな世界に生きていることを享受しましょうということです。それは自然な欲求だと思います」

本作はもともとフランスのテレビシリーズ用に製作されたが、そのクオリティの高さで劇場公開が決まり、新作エピソードを追加して3D作品として上映された。影絵と3Dの相性については「非常にうまくいったと思っています。3Dでやってみようと提案したのは私ですし。高度なデジタル技法に手が届かなかった時代が長くありましたので、使えるようになった今は使うようにしています。切り絵をパソコンの中に取り込んで3D処理しているんです」と満足している。
劇場の暗闇の中で、影絵の世界を旅するような豊かな体験ができる本作。オスロ監督は「この作品はみなさんに喜んでいただくためのプレゼントです。まずは映画の美しさに喜んでいただければ、映画を見終わった後もその映画の楽しさ、余韻の中で帰っていただき、映画を見る前より幸せな気持ちになっていただければと思います」と日本の観客にメッセージを送った。
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