三谷幸喜17年ぶり小説「清須会議」映画化で目標は興収138億円
2012年6月27日 05:00
[映画.com ニュース] 三谷幸喜監督が、17年ぶりとなる小説「清須会議」(幻冬舎刊)を書き下ろし、自らの脚本・監督で映画化することがこのほど発表された。自身の生誕50周年を記念した「三谷幸喜大感謝祭」のラストを飾る作品で、映画では初の時代劇となるだけに注目を集めそうだ。
「小学生のころ、周りが『天才バカボン』の絵を描いていたときに、歴史人名事典を読みながら後醍醐天皇や後白河法皇の顔を書いていた」と歴史好きを自任する三谷監督。中でも戦国時代をこよなく愛し、本能寺の変で織田信長が亡くなった後、家臣の柴田勝家、羽柴(豊臣)秀吉らが後継者を決め、日本史上初めて合議によって歴史が動いたとされる清須会議には格別の思いを抱いていた。
だが、「これまでの映画やドラマでは良くて1シーン、ほとんどがナレーションで済まされていた」そうで、ならば自分で、と映画化を目指しプロット(あらすじ)を書き始めたのがきっかけ。それが400字詰め原稿用紙30枚ほどになったことで、小説執筆を決意したという。
昨年1年間のスケジュールで、唯一空いていた8月を執筆期間に充てたが書ききれなかったため、「51歳になる7月8日までが50周年」と自らを納得させ、今年1~3月にしたためた原稿用紙は実に464枚。勝家、秀吉をはじめ丹羽長秀、お市ら信長の後継争いにからむ人々の心情がすべて現代語訳のモノローグや議事録でつづられる異色の時代小説だ。
清須会議の内容を説明する際には、肖像画などを参考に自ら描いた似顔絵を使って人物相関図をつくるほどの力の入れよう。「清須会議に興味を持ったのが10歳のころなので、いまだかつてない規模の構想40年。(映画で)歴史劇を作ってみたいという思いがようやく実った。セリフ劇として時代を描き、歴史的事実はないがしろにせず、そこに至るプロセスを楽しんでもらいたい」と話した。
脚本の推敲とともにキャスティングも進行中で、「全員が主役といえるので隅々まで、今までの作品が豪華とは言えないほどの豪華キャストを総動員して本格時代劇を目指す」と豪語。小説では勝家がショーン・コネリー、秀吉が大河ドラマ「黄金の日々」(1978)の緒形拳をイメージしたそうで、「いつも同じ人とやっていると言われるのはしゃくなので、半分は初めての方になると思う。勝家は50代後半から60代前半、秀吉はそれより若くて40代に見える30代かなあ。ショーン・コネリーだったら、当然初めてです」と三谷節全開で構想を披露した。
さらに目標興収は、日本映画の時代劇最大のヒットとされる「天と地と」(90)の92億円(当時の配収50億5000万円から換算)を軽く突破し、「ラスト サムライ」(2003)の137億円を超える138億円と設定。きょう27日に発売される小説も初版10万部で「本屋大賞を取りたい」と意欲。そして、「50周年の締めくくりであり、100歳で亡くなられた新藤兼人監督を目指そうと思うので、次の50年の第一歩にしたい」と高らかに宣言した。
映画「清須会議」は、今年11月にクランクイン。撮影は山本英夫、美術は種田陽平と「THE 有頂天ホテル」(05)から三谷組に参加している2人が担当し、清須城など本格的な巨大セットを組む予定。衣装は黒澤和子が手がける。公開は2013年秋を予定している。
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