石井ふく子「心の財産を残してあげたい」女優・上戸彩への思い語る
2012年6月26日 05:00
[映画.com ニュース] 大正末期に数多くの優れた作品を発表しながら、26歳の若さで亡くなった童謡詩人・金子みすゞの人生をドラマ化する「金子みすゞ物語-みんなちがって、みんないい-」の完成試写会が6月25日、東京・赤坂のTBS放送センターで行われた。上映後、石井ふく子プロデューサーをはじめ、みすゞの愛娘である上村ふさえさんと金子みすゞ記念館館長の矢崎節夫氏、演出を手がける清弘誠氏が取材に応じた。
石井プロデューサーは2001年に松たか子を主演に、みすゞの生涯をドラマ「明るいほうへ明るいほうへ」(TBS系)で描いているが「当時、描き切れなかった思いがあり、この10年でもう一度(ドラマを)やりたいと思っていた」。今回はみすゞ(上戸彩)と、実弟ながらそうとは知らずに姉を愛してしまう上山正祐(今井翼)の関係性を主軸に、家族愛をテーマに据え「前回は相対的な内容だったので、ふたりを中心に絞ってエピソードが生まれている」という。
脚本を手がけた清水曙美氏が、同作の決定稿を書き上げた2日後に急死しており「彼女の最後の作品になってしまったので、私はもちろん、スタッフとキャストが一生懸命に取りかかった。ふだんこんなことはないが、私自身も見終わって泣いてしまった」としみじみ語った。
みすゞを演じる上戸については、「彼女に心の財産をひとつ残したいなと思った」と起用理由を説明。ドラマ「3年B組 金八先生」(2001年10月~2002年3月)での熱演から注目していたといい、「失礼な言い方かもしれないが、単発ドラマで『これだ』と思える作品を何とかしてあげたいと思った」。演出の清弘氏も「非常に頑張ってくれた。代表作といっていい、こん身の演技を見せてくれた」と上戸の演技に太鼓判を押していた。
昨年の東日本大震災を機に、ACのテレビCMでみすゞが生み出した「こだまでしょうか」というフレーズが一躍注目されたが「今の時代はほとんど、こだましていないですよね。物質的に豊かになったかもしれないが、心はだんだん貧しくなった。長年、家族のドラマを作り続けたが、今もう一度家族の問題を考え直してほしい」(石井プロデューサー)。本作の監修も務めた矢崎氏は「人はひとりで生きていけない。ドラマを通して支えあって、命がつながっていることを感じてほしい」と訴え、ふさえさんも「胸がいっぱいで、うまく言葉にできない。命がけで私を残して死んだ母を、皆さんに大事に思っていただき、生きてきて良かったと思う」と感激しきりだった。
「金子みすゞ物語-みんなちがって、みんないい-」は7月9日、午後9時からTBS系で放送。
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