石原慎太郎、自著の映画化「青木ヶ原」で製作総指揮
2012年4月13日 22:30
[映画.com ニュース] 石原慎太郎原作・脚本・製作総指揮による映画「青木ヶ原」(製作:新城卓事務所)の発表会見が4月11日、都内のホテルで行われた。「秘祭」(1998)、「俺は、君のためにこそ死ににいく」(07)に続き、新城卓監督が石原作品のメガホンをとる。ゴー・シネマ配給で、来春の劇場公開を予定する。
原作の「青木ヶ原」は、様々な死の形を描いた短編集「生死刻々」(文藝春秋)に収録されている一編。自殺多発地として知られる富士山麓の青木ヶ原樹海を舞台にした怪談で、はかなくも美しい男女の純愛を、幽霊が登場する奇怪な物語に乗せて描き出す。
映画化にあたり、ベテラン・勝野洋が主演を務め、「俺は、君のためにこそ死ににいく」に続き石原作品に登板する。ほか、前田亜季、矢柴俊博、田中伸一、ガレッジセールのゴリ、中村育二、石原良純、長谷川真弓、二木てるみ、左とん平、渋谷天外、津川雅彦らの共演で、自殺者が年間3万人を超える現代日本を切り取り、人と人の絆の不思議さや命の大切さを訴える。既にクランクインしており、4月中にアップする予定。
物語は、忍野村の村議・松村雄大(勝野)が、青木ヶ原の遺体一斉捜索で、幽霊の滝本道夫(矢柴)に導かれて遺体を発見し丁重に葬る。しかし、その後も滝本の幽霊は現れる。松村は、滝本が入婿をしていた東京の老舗紙問屋を訪れなどして調べを進め、滝本が加納純子(前田)という若い女と失踪していたと知る。2人は単純な不倫関係ではなく、悲しく切ない、凄まじいほどの純愛があったこともわかるが、青木ヶ原で一緒に死んでいなかった。純子はどこにいるのか。
▼石原慎太郎 久しぶりに自作が映画化されることになり心がときめいている。キャスティングもぴったりだし、完成を楽しみにしながら待ちたい。
▼新城監督 山椒を利かせたようなピリッと辛い作品に仕上げたい。石原さんはなんだかんだ言いそうで、現場には一切口を出さない。撮影は順調です。