俺は、君のためにこそ死ににいく
劇場公開日:2007年5月12日
解説
東京都知事の石原慎太郎が製作総指揮と脚本を手掛け、特攻隊員たちのはかない青春を切り取った群像劇。太平洋戦争末期、不利な状況に陥った日本軍は、最後の手段として特別攻撃隊を編成。多くの若者たちが大空へと散っていった。そんな中、軍指定の食堂を営む鳥濱トメは、複雑な思いを胸に彼らを見守り続けていた……。“特攻の母”として知られる実在の人物トメを岸恵子が演じるほか、特攻隊員を徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆らが熱演。
2007年製作/141分/日本
配給:東映
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
2022年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
太平洋戦争末期、特攻に飛び立つ人々を悲しみ、支えた人々がいた。
見送る側も、特攻で飛び立つ側も、どちらの想いも切ない。想像を絶する精神状態だったと思う。そんな人々の想いを打ち消してしまう戦争は悲しすぎる。
特攻のシーンは映像がリアルで、両方の想いを考えると切なすぎました。
久しぶりに観かえしてみると、若かりし頃の中村倫也も。みんな初々しいな。
2021年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
戦争末期、陸軍は特攻隊を編成する。
隊員たちの群像ドラマが展開するが、普通の人がギリギリの環境に追い込まれた様子が、とてもリアルに描かれる。
今の時代はこのような歴史を経ていることを、忘れてはいけないと思う。
2021年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
観る気などなかったのに、窪塚洋介の「この映画を見て、戦争賛美だというヤツはアホだと思う。もう一回見た方がいい。見る前に言うヤツはアホ」という挑発的な言葉に刺激を受けてしまいました。たしかに観る前までは、戦争賛美だとか右翼映画だとこき下ろしてみようかと批判の言葉を準備していたのに、観終えた直後は「これは映画になっていない・・・」と、戦争に対するメッセージが云々というよりも脚本の未熟さに驚いてしまう言葉しか思い浮かびませんでした。日頃は難解な言葉で人々を煙に巻く雄弁さの政治家がわずか三日で書き上げた脚本だけあって、全く感動できない映画になってしまいました。
新城監督が悪いなどとは思いたくなかったのですが、個々の俳優のアップ映像が終盤になるまでなかったのも原因のひとつ。それに、登場人物それぞれ過去のエピソードが欠如している脚本。おかげで誰一人として感情移入できない作品に仕上がってます。いくら群像劇といえども、突然登場した俳優が死に行く悲しさを演出するのは不自然すぎるのです。特攻に赴くそれぞれの兵士だって立派な人格を持った個人であるのだから、この映画のように十把一絡げに“みんなまとめて英霊”として称える作者の考えは、一人の兵士は戦争の駒にすぎないということを意味しているのでしょう。
残念ながら、井筒監督が『パッチギ2』の中で批判したようなシーンはなく、むしろ「死なないで!」と恋人(戸田菜穂)が特攻兵士田端(筒井道隆)に懇願するシーンが全く逆の印象を与えてくれる。と思ったのも束の間、「日本は負ける」とか「生きて帰る」ことに考えが変わる田端がヘンテコな死に方をしてしまい、軟弱者はいらないんだという軍国主義下の強いパワハラが浮き彫りになってしまいました(いつでも死んでやるわい!とか、冗談にもほどがあります)。もう一人「死ぬな」という言葉を使った少年もいましたが、後に彼が自衛隊員になるという奇想天外な後日談で魅せてくれます。
予告編によっても迫力ある特攻シーンに期待がかかる。しかし、実際には飛ばない実機と模型やCGがほとんどであり、最も悲惨なシーンにおいては敵機の銃撃が散弾銃であるかのようにバラバラで、直線にならないところも見事でした。隼からの俯瞰図は一瞬だけで、急降下する臨場感を無くしたことももお年寄りの観客がショック死しないよう配慮したのか、優しい作りになっています。このクライマックスにおいては、特攻隊員側からよりも米艦側からの映像が中心になっていて、これならば途中に一瞬だけあった実写フィルムを多様してもっとドキュメンタリー風にしても良かったのでないかと思えるほど。
戦争を美化しているという悪印象はそれほど感じられませんでしたけど、“潔く死ねない奴は美しくない”という強いメッセージは伝わってきます。とにかく映画としてお粗末な内容でした。最後にはまるでホラー映画のような演出になっていたこともあるし、桜が満開の時期にホタルが飛ぶという、日本の美しい四季を全く無視したセンスにも脱帽です。おかげで映画館を出るときには気分が悪くなってしまいました。
【2007年5月映画館にて】