北乃きい「長崎を風化させない」 青来有一原作「爆心」で被ばく3世役
2012年3月6日 19:34
[映画.com ニュース] 女優の北乃きいが、青来有一の原作を実写映画化する「爆心」(仮題)で主演を務めることになり3月6日、都内のロケ現場で共演する稲森いずみ、池脇千鶴、石橋蓮司、宮下順子、メガホンをとる日向寺太郎監督(「火垂るの墓(2008)」)とともに会見した。
長崎原爆資料館長である青来氏の連作短編集から、複数のエピソードを選び出し長編映画にまとめあげる。長崎大学に通う女子学生・門田清水(北乃)と、新聞記者の夫をもつ高森砂織(稲森)を主人公に、爆心地となった長崎に生きる市井の人々の姿を通して“受難と再生”を問いかける。
北乃は祖父母が被ばく体験をもつ、被ばく3世という役どころ。役づくりのために長崎の原爆資料館へ足を運んだそうで、「今、こんなときだからこそ、この作品を多くの方に見ていただきたいし、私自身が学んだ長崎での出来事を、風化させずに次の世代に引き継いでいかなければいけないという気持ちになった」と神妙な面持ちだ。
一方、稲森は「長崎の風景と、そこに暮らす人々の温かな気質が役づくりに大いに役だった」と述懐。幼くして娘を亡くし、貝の幻覚を見始めるという難役に「原爆が落ちたことで、(被ばく)1世、2世、3世の間にはふだんは気づかない“ひずみ”がどこかに残っているのかもしれない」と演じる上での複雑な胸中を垣間見せた。
日向監督は「素晴らしいキャストに恵まれて、3世代のドラマに厚みが生まれた。震災前から準備を進めてきたが、結果として3.11後を生きる私たちのドラマになっている」。監督デビュー前には、黒木和雄監督の「スリ」(2000)、「美しい夏キリシマ」(2002)などで助監督を務めており、「スリ」に出演した石橋は「あらゆる面で黒木監督にそっくりで、気持ち悪いくらい(笑)」と“黒木イズム”のDNAに驚きの表情だった。3月中旬にクランクアップし、年内の公開を目指す。
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