中島哲也監督「進撃の巨人」を邦画最大規模の製作費で実写映画化
2011年12月8日 05:01
[映画.com ニュース] 累計発行部数660万部を突破した人気コミック「進撃の巨人」を、「告白」で知られる中島哲也監督がメガホンをとり映画化することになった。配給の東宝は、日本映画界最大規模の製作費で、原作の世界観を忠実に再現することを決意。中島監督は、自らのこれまでの作品とは「何もかも違います。違いすぎます。アクション映画もモンスター映画も莫大(ばくだい)な予算の大作映画というのも、私にははじめての経験ですから。これが最後の中島作品になるかも」と不退転の覚悟で臨むつもりだ。
松たか子主演作「告白」を、興行収入約38億5000万円の大ヒットに導いた中島監督、川村元気プロデューサー、石田雄治プロデューサーの“ゴールデントリオ”が、「このマンガがすごい!2011年版」で最も面白かったマンガ1位に輝いた衝撃作に挑む。25歳の新鋭・諫山創が「別冊少年マガジン」(講談社刊)に連載中の同名作が原作。最大50メートルの謎のヒト型怪物「巨人」たちが支配する世界を舞台に、巨大な防護壁の内側で生活する人類と、壁を越え侵略してきた大巨人たちとの壮絶な戦いを描く。
中島監督は、「巨人が理由もなく人を食べる。この絶望感が非常に面白い」と思っていたそうで、昨夏に石田プロデューサーとともに映画化へ向けて始動したという。秋には版元の講談社へ企画を提出。同社の内田康史氏は、「配給数社からお話はいただいたが、石田さんと中島さんからの企画がどこよりも先だった。最初に本命がきちゃった……という印象でした」と語る。昨年12月1日には、中島監督と原作者の諫山氏が初めて対面。約4時間にわたり熱く語り合ったそうで、以後1年間は信頼関係を深めてきた。中島監督が諫山氏の気づいていない表現を引き出すこともあれば、諫山氏が原作で明かされていない内容を隠すことなく打ち明けることもあったという。
原作では多くのキャラクターが登場するが、映画では主人公にフューチャーする形での構成を予定。石田プロデューサーは、中島監督が現在、巨人の造形を模索している最中だと明かし「フルCGなのか、モーションキャプチャーなのか……。巨人の表情、姿、形を実写化で表現するとしたら、何がベストなのかをシミュレーションしています」と説明する。
注目が集まるのは、逃げ惑う人々を捕まえては食べ続ける巨人たちの描写。石田プロデューサーは、「この作品のハイライトだけに、避けては通れない。監督は『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』に登場する、人が食べられるシーンに影響を受けているようだ。あの当時の子どもたちは、すごい衝撃を受けた。それを超えるものを作らなければならない」と決意の眼差(まなざ)し。「告白」は映倫管理委員会からR-15指定を受けたが、過激な描写が含まれる今作は、R-18指定の可能性も十分にある。
キャストは一切決まっておらず、オーディションも行っていないが、勢いのある実力派若手俳優を起用するほか、中島組ならではの豪華な布陣をそろえるという。クランクインは、12年ゴールデンウィーク以降を予定。
「進撃の巨人」は、2013年以降に全国で公開。
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