ラース・フォン・トリアー監督、ナチス擁護発言で事情聴取
2011年10月8日 13:32

[映画.com ニュース] 今年のカンヌ映画祭でスキャンダルになったラース・フォン・トリアー監督の発言が、ここにきて新たな波紋を巻き起こしている。10月5日、フランス警察からの要請を受け、トリアー監督が地元デンマークの警察に約1時間にわたり事情聴取を受けることになったのだ。
発端は、すでに報道されたように、カンヌで披露した新作「メランコリア」の会見でトリアー監督が「ヒットラーのことが理解できる。彼はもちろんいい人と言われるような人間ではないが、でも僕は彼のことが理解できるし、ちょっとシンパシーを感じずにはいられない。わかったよ、僕はナチだよ」と発言したことによる。この後、すぐに映画祭側は「好ましからざる人物」として、会場への出入り禁止を申し渡し、これを受けてトリアー監督も正式に謝罪した。
それでも、一度火がついてしまったものは消せなかったのか、映画祭終了後、事態はさらに深刻に受け止められた。8月には、南仏グラス市警察が「戦争犯罪を正当化することでフランスの法律に触れる言動をとった」として正式に告発することを決定し、今回の尋問に至った。トリアー監督の弁護士は、「彼は言論の自由を逸脱するようなことは冒していない」と語っているが、結果は尋問内容の報告を受け取る仏警察の判断次第。有罪になった場合、最高5年の懲役を受ける可能性があるという。
カンヌでの成り行きを見る限り、今回の一件はさすがに行き過ぎではないかという意見もある。事情聴取を受けたトリアー監督は、「今回のシリアスな告発によって、僕は自分のことを誤解のないように説明する能力がないことがわかった。よって、今後は公の場での発言やインタビューを慎むことに決めた」と声明を発表。最新作「メランコリア」の内容はナチズムとは一切関係なく、すでに公開されたヨーロッパ各国で批評、興行成績ともに好結果を出しているだけに、今回のダメージが今後の活動に暗雲をもたらすのが惜しまれる。
(佐藤久理子)
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