【ベネチア国際映画祭】アル・パチーノに「監督ばんざい賞」
2011年9月7日 12:55

「Wild Salome」は、パチーノがジェシカ・チャスティンらと舞台で上演していた演目だが、“サロメ好き”が高じ、その舞台裏から映画の企画までを一種のフェイク・ドキュメンタリーとしてまとめたもの。サロメにかけるパチーノのこだわりと熱狂ぶりが伝わってくる。「ツリー・オブ・ライフ」とはまったく異なる妖艶な演技のチャスティンも印象的だ。
さらに前日には、招待作品としてスティーブン・ソダーバーグ監督作「Contagion」が上映され、レッドカーペットには監督とともにマット・デイモン、グウィネス・パルトロウ、ローレンス・フィッシュバーンらが顔をそろえた。新種のウィルスが出現し、世界各地に瞬く間に広がる物語は、パニックに陥りながらも使命感に燃え、希望を失わない人々の様子が感動を誘う。ソダーバーグらしい、切れ味のいい鮮やかな手さばきが生きている。
コンペ作品としては、デビッド・クローネンバーグ待望の新作「A Dangerous Method」も高い評価を得た。20世紀頭のウィーンを舞台に、フロイト(ビゴ・モーテンセン)、ユング(マイケル・ファスベンダー)とその患者(キーラ・ナイトレイ)をめぐる友情と確執、精神分析を橋渡しにした恋愛関係を描く。
クローネンバーグとしては珍しくオーソドックスな作りながら、配役の妙、意味深いセリフ、ディテールに凝った映像で、どっしりと見応えのある作品になった。三者三様の熱演が光る俳優陣のなか、特にユング役のファスベンダーには早くも男優賞の声がささやかれたが、比較的無名の俳優に軍配のあがりやすいベネチアだけに、どう転ぶかは予測がつかない。(佐藤久理子)
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