渡辺謙「シャンハイ」でクイーンズイングリッシュに一からトライ
2011年8月16日 19:28

[映画.com ニュース] 1941年の太平洋戦争開戦前の上海を舞台に男女の愛を描いた、米中合作映画「シャンハイ」の特別試写会が8月16日、東京・丸の内ピカデリー1で行われ、ミカエル・ハフストローム監督と日本人キャストの渡辺謙、菊地凛子が舞台挨拶に立った。
オスカー俳優として堪能な英語力を生かし、海外の作品に多数出演している渡辺は、ジョン・キューザック扮する諜報部員を狙う冷酷な日本人将校を演じる。イギリスに留学経験のあるエリート将校という設定で、「イギリス英語を話したらどうだろうということで、英語を一からやりなおして、クイーンズイングリッシュにトライしました」と明かした。
渡辺と同じく、日本を代表するオスカー女優の菊地は、物語の鍵となる謎の日本人女性スミコを演じ、渡辺とは初共演。「ご覧の通りざっくりと、でっかくて大きい人。いろんな方向からトライする姿が勉強になりました」と感想を述べると、渡辺は「動物園じゃないんだから……」と苦笑しながらも、「いろんな国でいろんな監督と仕事をしているので、鍛えられている。集中力を保つ俳優の体力が鍛えられていると思いました」と、菊地を称えた。
今回、初来日となったハフストローム監督は「挑戦のひとつは、1941年の上海の街の色彩、ムードを再現することでした」と撮影の苦労を話す。渡辺は「監督はスウェーデンの出身、規模は違いますが僕も新潟の出身で、寒い中でじっと耐えて、いわゆるネクラ(笑)な中でものをクリエイトしている感覚が近かった」と監督との共通点を挙げた。
コン・リー、チョウ・ユンファら豪華俳優陣の出演も注目されている本作。渡辺は「戦争を題材にした映画で、歴史的な背景がありますが、ここに描かれているのは必死で男と女が愛を紡ぎだしていこうとしたドラマ。今、日本の社会は揺らいでいますし、価値観の変化を余儀なくされています。困難な時代でも生きていこうと、そういうものにつなげられるような映画になったと思います」と自信を見せた。
またこの日、イメージソング「FICTION オーケストラバージョン」を担当する韓国人アイドルグループ「BEAST」も登壇の予定だったが、入国審査でのトラブルのため欠席した。
「シャンハイ」は、8月20日から全国公開。
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