妻夫木聡&松山ケンイチ、それぞれの熱き70年代
2011年5月27日 05:09
[映画.com ニュース] 文芸・映画評論など多岐にわたる分野で活躍する川本三郎氏が、朝日新聞社の記者時代に経験した日々をつづった著書を映画化した「マイ・バック・ページ」が、5月28日に公開される。同作で初めて共演を果たしたのが、ホリプロ所属の先輩・後輩という間柄で親交のある妻夫木聡と松山ケンイチ。理想に燃える若手記者と、その記者を挫折へと追う込む学生活動家という役を通じて、ふたりが目の当たりにした“激動の昭和”に迫った。
妻夫木と松山にとって、メガホンをとった山下敦弘監督や脚本を執筆した向井康介にとっても、作品世界を彩る60年代後半の日本を取り巻く熱気は、生まれる前の“遠い昔”であるからこそ大きな壁として立ちはだかるかに思われた。妻夫木演じる沢田は、本物のジャーナリストになるために「信じる」ことを選択。原作者・川本氏は記者時代、71年に起きた「朝霞自衛官殺害事件」の首謀者をひそかに面会取材し、シンパシーを感じたことから証拠隠滅に手を貸し逮捕された。妻夫木は、雑誌「キネマ旬報」の評論を通して川本氏を知っていただけに「こういう過去を持っていらっしゃったのか……と原作を読んでビックリした」という。
脚本に起こされた沢田と向き合う際、時代描写を意識しないわけにはいかなかった。疑問を山下監督にぶつけると、「『実際にその時代を生きた人間はスタッフにいないし、僕らがつくる60年代でいいんじゃないか』という話が出来たんです。それを聞いたときから、僕のなかでスイッチが入ったところがどこかにあった」。新境地を開拓し絶賛された「悪人」以来、精神論での役づくりが中心になっているそうで「そのなかに川本さんに会うっていう選択肢がなかったんですよ。会うことで答え合わせをしたくなかったんでしょうね。川本さんではなく沢田の話だととらえて、新しくつくろうとしていたんだろうと今は考えています」と説明する。
一方、松山扮する梅山(本名・片桐優)は、どこまでもとらえどころがない。「赤邦軍」リーダーとして危ういカリスマ性を発揮したかと思えば、好青年として沢田の同僚から食事をごちそうしてもらったりしている。そんな梅山を、松山は「自分で振り返っていないんですよね。自分と革命家との距離が、だいぶ開いている気がする」と評する。ただ、虚言癖があるというのではなく「本当の言葉ではあるんですよ。人によってどんどんキャラクターを変えていく人。片桐本人はそこにいなくて、どちらかというと役がそこにいるような。すごく不思議なキャラクターではありましたね」と振り返った。
かつて激動の時代を生きた若者たちは、現代の若者の姿をどうとらえ、今作の世界観に何を思うのだろうか。また、40年後の2051年、妻夫木と松山は日本の姿にどのような感慨を抱くのか。未来の若者たちが「マイ・バック・ページ」から何かを感じ取ってくれることを願ってやまない。
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