カンヌで「ARIGATO」パーティ開催 依田巽氏が決意表明
2011年5月16日 12:58
[映画.com ニュース] 第64回カンヌ映画祭のプログラム発表時、ディレクターのティエリー・フレモーは「日本の現状を無視することはできない」と前置きし、コンペティション部門に出品する河瀬直美監督と三池崇史監督の名前を紹介した。東日本大震災の発生以来、世界中から支援や励ましの声が日本に届いているが、同映画祭でも例外ではない。「頑張れ日本」と銘打ち、マーケット会場ほか、さまざまなところに募金箱がおかれているのが目につく。映画祭と映画輸出協会の協賛によるもので、寄付金はすべてフランスの赤十字社を通して日本に送られるという。
そんな状況に応えるかのように5月13日夜、東京国際映画祭の依田巽チェアマンの提唱により、カンヌで「TIFF/TIFFCOM ARIGATO NIGHT」パーティが開催された。日本を励まし、支えてくれている映画関係者へのお礼と、復興をアピールするのが目的だ。挨拶にたった依田チェアマンは、世界中からの温かいサポートに感謝の言葉を述べるとともに、今年も東京国際映画祭(TIFF)が通常どおり開催される予定であることを表明。さらに、映画祭を通じて「日本のスピリット」を発信していきたいと語った。
会場には、三池監督作で市川海老蔵と瑛太が主演する「一命」のプロデューサーでもあるジェレミー・トーマス、ベルリン映画祭のディレクター、ディータ・コスリック、モントリオール映画祭のディレクター、セルジオ・ロジックら、日本とも縁の深い映画関係者が駆けつけた。
今回の震災の映画業界への影響や、今後日本の経済がどう立ち直っていくのかといったテーマは、海外の作品を日本に売るセラーたちをはじめ世界中の映画関係者の関心の的でもある。そんななかで、今年の東京国際映画祭が規模的にも例年通りに行われる予定であること、質の高い海外作品を紹介する窓口として今後も機能していくことをアピールすることは有意義だといえる。
今回のパーティでは、東京国際のトレードマークともなったエコロジーを強調するグリーン・カラーの「ありがとう」リストバンドも作られ、会場で義援金を寄せた参加者に対して無料で配布された。24回目を迎える東京国際映画祭は10月22日から30日まで、六本木ヒルズで開催される。