性同一性障害アーティスト・ピュ~ぴる、去勢手術後に「泣いた」
2011年3月7日 21:33

[映画.com ニュース] 日本人コンテンポラリーアーティストとして世界的に活躍するピュ~ぴるの、芸術家として成功するまでの軌跡を追ったドキュメンタリー「ピュ~ぴる」(松永大司監督)の試写会イベントが3月3日、都内で行われ、ピュ~ぴると松永監督がトークショーに出席した。
男性として生まれたその体に違和感を覚えていたピュ~ぴるは、自ら制作した奇抜なコスチュームを身にまとってクラブに通い、その違和感を解消していた。「命をかけて愛した人がいて、それが男性から女性になりたいと強く思った」と話すピュ~ぴるは、去勢手術も経験。「あのときは手術をすることを監督や友人、そして当時愛していた人だけにしか伝えてなくて、家族にはいっさい秘密にしていました。手術が終わって目が覚めたときに、自分を生んでくれた両親のことが頭に思い浮かんで……。もうこれで自分のDNAを残すことが出来ないんだと思ったら、親に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになって、あそこでは泣いてしまいましたね」と、涙を浮かべながら術後の心境を吐露した。
映画は、ピュ~ぴると長年の友人である松永監督が、性同一障害、失恋、去勢手術を経て横浜トリエンナーレでのパフォーマンスに至るまでの8年間を追ったドキュメンタリー。
手術に同行した松永監督は、「去勢手術というのはある種、タブーに近くて、現実社会において、かなり非日常的な出来事でもありました。親に申し訳ないと泣いていたときは、僕も初めてカメラを回しながら涙が止まらなかったです」と述懐。そして、「人が人を好きになることは根本的なことなのに、同性愛ということで後ろ指を指されて、それが当たり前にできない人たちがいるんだということを目の当たりにして、それは自分にとっても大きな体験でしたね」と語った。
同作は、1月に開催されたロッテルダム国際映画祭の観客投票で、ベスト10入り。700本以上の上映作品中から、観客の投票ランキングの観客賞で「Biutiful ビューティフル」や「ブラック・スワン」などハリウッドスター出演のオスカー候補作がひしめくなか、日本の無名監督が撮ったドキュメンタリー作品にもかかわらず9位に食い込んだ。
「ピュ~ぴる」は、3月26日から公開。
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