竹野内豊“戦友”30人のサプライズ登場に感無量
2011年2月11日 14:21
[映画.com ニュース] 竹野内豊の約3年ぶりとなる主演映画「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」が2月11日、全国300スクリーンで公開。竹野内をはじめ共演の井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、阿部サダヲ、唐沢寿明、平山秀幸監督、チェリン・グラック監督は東京・有楽町のTOHOシネマズ有楽座で舞台挨拶に立った。
日米開戦70年特別企画として元米海兵隊員ドン・ジョーンズが発表した「タッポーチョ『敵ながら天晴』大場隊の勇戦512日」(絶版)を映画化。太平洋戦争の激戦地サイパン島で、わずか47人の兵力で米軍4万5000人を神出鬼没な戦略で翻ろうし、畏敬の念を込めて“フォックス”と呼ばれた実在の人物・大場栄大尉と、米軍側のハーマン・ルイス大尉、双方の視点で描く。
竹野内は、約2カ月間に及ぶタイでの過酷なロケ、積極的なプロモーション活動を経ての封切りに晴れ晴れとした笑顔をのぞかせた。撮影期間を含め、これまでに起きた“奇跡”について「サイパンで戦った47人のひとり、新倉幸雄さんとお会いできたことが奇跡。それと、真央ちゃんがタイで虫を食べたことは奇跡的なこと」と振り返った。
これに対し、井上は「違いますよ! 屋台で竹野内さんに食べさせられたんですよ」と苦笑いを浮かべながら弁明。そして、「絶対に食べたくなかったんですが、(竹野内の)キラキラしたおめめで差し出されて『おいしいよ』って。それで食べちゃいました」と説明し、場内を笑わせた。また、唐沢は「久々に共演者と会って……。阿部くん、太ったねえ。山田くんは足が短くなったし、岡田くんはアメ横の店長みたい。チェリン監督もラルフローレンの店長みたいだ」と言いたい放題で、爆笑を誘っていた。
この日は、キャスト陣にはサプライズとして、竹野内らとともに本格的な軍事訓練を経験し、2カ月にわたるタイロケに臨んだ通称「平山30(さんまる)隊」が登場。劇場後方から劇中さながらに軍歌「歩兵の本領」を熱唱しながらの登壇に、苦楽をともにした竹野内らは感激しきりの様子だ。「30隊」のリーダーだった長谷部浩幸さんから花束を手渡されると、力強く抱き合っていた。竹野内は「胸がいっぱい。あの激戦のなかを生きた思いを、たった2時間で映し出すことは到底できません。ただ、皆さんに『尊ぶ』ということを忘れないでいただきたい」と真しな眼差(まなざ)しで訴えていた。
また、イギリス、アイルランド、ドイツ、オーストリア、スイスの5カ国での公開が決定した。特にイギリスでは10社以上が配給権を争い、獲得したArrow Filmsは同作を絶賛。さらにフランス、ベルギー、オランダなど多くの国とも配給交渉が続いている。