“3D特需”で2010年の興行収入が歴代最高(2207億円)を記録
2011年1月27日 20:02
[映画.com ニュース] 一般社団法人日本映画製作者連盟(映連)の新年記者会見が1月27日、都内のホテルで行われ、2010年の興行収入が2207億3700万円と、歴代最高を記録したことが発表された。「ハウルの動く城」「ラスト サムライ」などがあった04年の2109億1400万円を更新した。
映画人口は前年比103%の1億7435万8000人で、00年に興収発表となって以来最多。興収の伸び(前年比107%)に比べ増加率が小幅だが、平均入場料金が前年比104%の1266円に上がっていることからも、「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」など入場料金が通常より300~400円高い3D映画のヒットが全体の興収を押し上げた形だ。
今年も米ハリウッドを中心に3D映画がめじろ押しで、大谷信義会長は「米国人ほど好きかはよく分からないが、まだしばらくは3Dがけん引すると思う」と分析。東宝の高井英幸社長も「映画はいろいろなジャンルがあるからこそ楽しい。3Dというジャンルをきちっと守り、持続させるのがわれわれの責務」と同調した。一方、邦画で最も多く3D作品を手がけている東映の岡田裕介社長は「メガネが改良されない限り定着は難しいのでは」と慎重な見解を示した。
公開本数は邦画408本(成人映画59本を含む)、洋画308本の計716本。3年連続で邦画が上回ったが、総数では09年から46本少なくなった。全国のスクリーン数も3412と、「シネコンの進出が全国的にひと段落した」(大谷信義会長)ことから16スクリーンの微増にとどまった。
また、東宝の子会社でシネコン最大手のTOHOシネマズがこのほど、一般料金を1800円から1500円にするなど入場料金の見直しに着手すると発表したが、高井社長は「既に値下げが決定したと思っている方もいるが、あくまでテストケース。全国6サイトで試験的に導入し、分析したうえで全体の観客増につながる料金制度を考えたい」と説明。松竹、東映、角川書店の加盟各社は、一様に推移を慎重に見守る構えだ。