菊地凛子「ノルウェイの森」世界公開を強く願う
2010年11月26日 15:36

[映画.com ニュース] 村上春樹の国民的ベストセラーを映画化した「ノルウェイの森」の海外メディア向け会見が11月26日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で行われ、トラン・アン・ユン監督、菊地凛子、水原希子、プロデューサーの小川真司が出席した。
1987年の刊行以来、国内発行累計部数は1079万部を突破し、世界36カ国で翻訳されている「ノルウェイの森」の映画化は、海外でも熱い視線を集めており、会場には多数の外国人記者が集まった。ユン監督は「20代の若者たちのラブストーリーであると同時に、人生に関する普遍的な物語」と海外を視野にアピール。菊地も「世界公開を強く願っています」と熱意を伝えた。
原作者・村上から映画化の許可を得るまで4年の歳月がかかったといい「とにかくお会いしたいと手紙を書いた。村上さんがユン監督の作品をお好きだということもあり、会ってお話したが、その場では簡単に許可は出せないと言われました」(小川プロデューサー)。早速、ユン監督が脚本執筆を開始するが「最初の11ページに半年かかりました。その後2カ月休憩し、残りは21日で書き上げました。小川さんに脅されまして(笑)」。最終的には村上が納得する脚本が完成し、映画化にゴーサインが出た。
記者から幻想的な映像美を称賛されたユン監督は、「きれいな映像を撮ろうとしたわけではない。あくまで原作にマッチした“正しい”イメージを大切にした。具体的には俳優さんの肌が正しく映ることで官能的な感動が生まれると考えた」。また、菊地が「最初は私にまったく興味がなかったみたい」と振り返ると、ユン監督は「彼女が送ってくれたビデオテープで印象がガラっと変わりました。ヒロイン役はとても大事な選択でしたし、菊地さんに決定した後は、彼女に合わせたキャスティングを進めた。菊地さんが役を望んでくれて感謝しています」と語った。また、同作が女優デビューとなる水原は「すべてがチャレンジだった」と胸を張った。
主人公ワタナベ(松山ケンイチ)が亡き親友の元恋人・直子(菊地)との恋愛と別れを通して、人生の岐路に立つ姿を描く。「青いパパイヤの香り」「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」のユン監督が、村上の叙情的な世界観を透明感あふれる映像で描き出した。
「ノルウェイの森」は、12月11日から全国で公開。
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