4時間38分の瀬々敬久監督最新作「ヘヴンズストーリー」が完成
2010年7月23日 15:00
[映画.com ニュース] 瀬々敬久監督の最新作で、上映時間4時間38分の大作「ヘヴンズストーリー」が7月23日、東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の第32回ぴあフィルムフェスティバルでプレミア上映。瀬々監督ほか、出演の寉岡萌希、忍成修吾、村上淳、菜葉菜ら総勢9人が舞台挨拶に登壇した。
家族を殺された幼い娘、妻子を殺された若い夫、ひとり息子を育てながら復しゅう代行を副業にする警官などを中心に、20人以上の登場人物が複数の殺人事件をきっかけにつながっていく11年間の様子を、全9章、4時間38分で描き切る。
瀬々監督は、「最初は3時間くらいの予定だったが、撮影していくうちにふくらんでいった。自分も撮影しながら成長し、どんどん深みにはまっていった。現実の事件をモデルにしつつ、そうしたことがなぜ起こったのか、どういう意味があるのか、いま生きていくことはどういうことかを探っていった」と話した。
忍成は、「台本をもらったときはチンプンカンプンで……。読解力がなさすぎでした(笑)。監督に何か質問はと聞かれても、質問できなかった」。菜葉菜は、「監督からの私の人間否定から始まり、苦しかった。瀬々さんを大嫌いになって、役者を辞めようかと思ったけど、作品を見たら、あれは監督の調教だったんだなと。Mの私には最高でした(笑)」と振り返るなど、キャスト陣も長大な作品に苦労することしきり。それでも、寉岡は「いつ誰の身に起こってもおかしくないこと。ニュースなども身近に感じるようになった」と真しに語り、それぞれが手ごたえを感じているようだった。
「ヘヴンズストーリー」は、10月から公開予定。