桃井かおり「山田組の名にかけて下品だなんて言わせない!」
2010年6月22日 22:45

[映画.com ニュース] 山田洋次監督が米作家ピート・ハミルの原作を映画化した「幸福の黄色いハンカチ」(77)を、ハリウッド映画としてリメイクした「イエロー・ハンカチーフ」(ウダヤン・プラサッド監督)の試写会が6月22日、都内のホールで行われ、山田監督とオリジナル版で主要キャストを務めた桃井かおりがトークショーに出席した。
同作は、刑期を終えて出所した男が、偶然出会った放浪中の若いカップルに後押しされ、妻のもとへと戻る旅を描いたロードムービー。オリジナルで高倉健が演じた主人公をオスカー俳優のウィリアム・ハート、桃井が演じた女性を「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワートが演じている。
山田監督は、リメイク版を「もっとはずしてもいいと思ったけど、オリジナルに真面目に忠実だった。もともとアメリカの原作なので、アメリカで作ればさらに魅力的な作品になるのではと期待していた」と評した。そして、「今となっては当時はとても幸福だったと思う。今の日本映画界は大変厳しい状況にある。これからの日本映画をどう豊かにしていくか、責任を持って考えていきたい」と真しに語った。リメイク版に特別出演している桃井は、「『SAYURI』の時とは大違いで、とても大事に扱ってもらった。オリジナルキャストでよかった(笑)。山田組の名にかけても、下品だなんて言わせないわよ!」と息巻いた。それでも、「私は本当に山田監督だけには弱くて、今日もすごく緊張している」と意外な一面ものぞかせた。
また、山田監督は撮影当時を振り返り「(高倉)健さんはいつもお腹を空かせていた。満腹だと、あの飢えたような目はできない」。さらに、「あのころ、桃井さんのように歌うようにさえずるように芝居できる女優はいなかった」と述懐。桃井は「あるセリフのイントネーションがうまくいかなくて、50テイク以上やった記憶がある。その日すごく調子の良かった武田鉄矢さんに『いい日もあるからさ』と言われ、腹が立ったの覚えている。ちょっと監督にほめられたからって図に乗ってさ」といつもの桃井節で笑わせた。
「イエロー・ハンカチーフ」は松竹配給で、6月26日から全国で公開。
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