「オーケストラ!」監督とタランティーノの明確な違いは!?
2010年4月16日 17:00

[映画.com ニュース] ラデュ・ミヘイレアニュ監督(「約束の旅路」)が描く音楽ドラマ「オーケストラ!」(4月17日公開)は、「アバター」を抜いて全仏興行記録1位を記録。今年3月、フランス映画祭で来日した際、自作について語ってもらった。
主人公は、ロシアのボリショイ交響楽団で劇場清掃員として働く中年男(アレクセイ・グシュコフ)。30年前は天才指揮者だったが、当時のブレジネフ政権にたて突いて解雇の憂き目に。それでもチャンスが到来し、かつての楽団仲間をかき集めてニセのオーケストラを結成し、夢のパリ公演へと出発する。「これは悲喜劇ととらえられます。人間は死に向かって生きる。ともすれば悲劇的な人生なわけで、ユーモアたっぷりに生きてほしい(笑)。ブレジネフ政権下に迫害されたユダヤ人芸術家がオーケストラを指揮してハーモニー(調和)を奏で、自らの人生に“決着”をつけるわけです」
メインテーマとして使われるチャイコフスキーのバイオリン協奏曲をはじめ、マーラーの交響曲第1番「巨人」やモーツァルトのピアノ協奏曲第21番などクラシック音楽が全編を彩っている。「モーツァルトとマーラーは脚本を書く前に私が選びました(他の曲は音楽監督アルマン・アマール)。チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は、本作の完成のためにチャイコフスキーが用意してくれたかのようなロシアらしい名曲(笑)。クレッシェンドで徐々に高まっていくオーケストラのエネルギッシュさからは生きる望みや喜び、ソロのバイオリンが奏でる美しい旋律からは哀しみ、悲愴感、ノスタルジーなどが感じられます」
「イングロリアス・バスターズ」で日本の映画ファンにもおなじみになったメラニー・ロランが、ヒロインのバイオリン奏者を演じている。女優を美しく撮る秘けつについて、「メラニーは“クール・ビューティ”に見えると同時に、感情をむき出しにする演技ができる名女優です。タランティーノ監督にとって女優はストーリーテリングのコマのひとつにすぎないけど、私は女優を愛していますからね(笑)。パリのレストランの場面なんて、ニコール・キッドマンに似ていませんか?」
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