水谷豊20代の作品、市川崑監督による「幸福」DVD化に胸いっぱい…
2009年10月30日 11:30

[映画.com ニュース] 1981年に劇場公開されたまま、長らくソフト化されてこなかった故市川崑監督後期の名作「幸福」のブルーレイ・DVDの発売記念試写会が10月29日、東京・スペースFS汐留で行われ、主演を務めた水谷豊と河井真也プロデューサーが舞台挨拶に立った。
マイクを握ったまま言葉が出てこなかった水谷は、絞り出すように「まさかこの日が来るとは……」と感慨無量の面持ち。そして、「ずっと眠ったままの作品だと思っていましたから、言葉では言えないくらいうれしい」と話し、市川監督との唯一のコラボレーション企画を懐かしんだ。
河井プロデューサーは、ソフト化が困難だった理由を「『87分署』のエド・マクベイン原作で、当時ソフト化を想定していなかったために再契約が必要でした。特殊な方法(銀残しの一種)でフィルムを焼いていたことも問題だったと思います」と経緯を説明。今回のソフト化に当たっては、モノクロでもカラーでもない独特の色彩を忠実に再現するのに半年間を費やしたことも明かした。
水谷にとっては初の父親役として臨んだ役どころだけに、「独身なのに父親に見えるだろうか? と心配していました」と述懐。すると、同作で子役として共演した黒田留以(るい)さんが、サプライズゲストとして登場。現在は会社員の黒田さんは、同試写会に普通に応募したところ関係者が気づいたそうで、水谷も懐かしさに顔をほころばせていた。
そして、「僕の20代最後の作品ですと、これでやっと胸を張って言えます。『ミィタニちゃんには色気のある俳優になってほしい』と市川監督に言われたんです。また一緒にお仕事をしたいと……それは結局かなわなかったのですが、監督は『どんどん良くなっているな』と最後までずっと見ていてくれたらしいんです。こうして(演技できるようにして)くれたのは監督の作品の力。本当に感謝しています」と偲んだ。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
「天国と地獄 Highest 2 Lowest」あらすじ・概要・評論まとめ ~世界のクロサワの名作をスパイク・リーが再解釈、時代を超えた巨匠同士の対話~【おすすめの注目映画】
2025年9月11日 12:30
映画.com注目特集をチェック
人生にぶっ刺さる一本
【すべての瞬間が魂に突き刺さる】どうしようもなく心が動き、打ち震えるほどの体験が待っている
提供:ディズニー
ブルーボーイ事件
【日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化】鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
プレデター バッドランド
【ヤバすぎる世界へようこそ】“最弱”ד下半身を失ったアンドロイド”=非常識なまでの“面白さと感動”
提供:ディズニー
あまりにも凄すぎた
【“日本の暗部”に切り込んだ圧倒的衝撃作】これはフィクションかノンフィクションか?
提供:アニモプロデュース
盤上の向日葵
【「国宝」の次に観るべき極上日本映画に…】本作を推す! 壮絶な演技対決、至極のミステリー、圧巻ラスト
提供:松竹
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ