スパイク・リー最新作「セントアンナの奇跡」は、「思いやりと愛に満ちた話」
2009年7月23日 12:00

[映画.com ニュース] 「マルコムX」「ドゥ・ザ・ライト・シング」のスパイク・リー監督が、最新作「セントアンナの奇跡」について語った。
物語は1983年アメリカ、ニューヨークの郵便局員で始まる。ある郵便局員が、ひとりの男性客を突然射殺し、その局員の部屋からは、闇市場で500万ドルはするという貴重な彫像の頭部が発見されるが、この不可解な事件の謎を解く鍵は、彫像が消えた1944年のイタリアにあった。彼は当時、アメリカ軍の黒人部隊「バッファロー・ソルジャー」の一員としてトスカーナの前線に送られていたのだが……。
「この作品にはいろいろな要素がある。第2次世界大戦下の話で、歴史的出来事を取り扱っているし、ミステリーでもあり、思いやりと愛に満ちた話でもある。いろいろ詰め込んだ感じだけど、人間性や他者に対する慈悲を上手く表現することができたと思う。それに、特定の主人公がいないアンサンブル作品でもあるけど、アメリカ人俳優もいれば、素晴らしいイタリア人俳優、素晴らしいドイツ人俳優もいて、皆が母国語をしゃべっているから、誰もが英語しか話していない他の映画よりもよっぽど真実味があると思うよ」
バッファロー・ソルジャーは、味方のはずの米兵の白人たちに蔑まれながらも、過酷な最前線で戦いを続けていたが、トスカーナ地方のある小さな山麓の村に迷い込み、黒人差別を知らない村人たちと交流することで、生まれて初めての自由を感じる。撮影のため現地を訪れたリー監督も、当時を知る人々にバッファロー・ソルジャーについて教えてもらったそうだ。
「向こうにいる間、何人かのお年寄りのイタリア人がバッファロー・ソルジャーの懐かしい思い出を語ってくれた。ある女性は、自分が今生きていられるのは、赤ん坊だった頃に、バッファロー・ソルジャーが自分を抱えていた母を助けてくれたおかげだと言っていた。ペニシリン予防かなんだか忘れたけど、とにかく命を救ったからだったとね。だからあの世代の人たちの多くは、バッファロー・ソルジャーに対して愛しい思い出がたくさんあるんだ」
戦争ドラマではあるが、そうした真実に基づいた、イタリア人と黒人たちの交流が心を温まらせるヒューマンドラマとして見られる一作になっている。7月25日公開。
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