リチャード・ギア語る。「HACHI」の現場はギアよりも犬中心
2009年7月9日 12:00
[映画.com ニュース] 渋谷駅前の銅像で知られる秋田犬ハチの物語を、ハリウッドで映画化した「HACHI/約束の犬」(ラッセ・ハルストレム監督)の主演リチャード・ギアが、7月8日、東京・日比谷のザ・ペニンシュラ東京で来日記者会見を開いた。
3匹の秋田犬を使った撮影時を振り返り、ギアは「秋田犬は犬の中でもとても古い血統で、狼に近い。人間に懐かないし、訓練することも難しいから、アメリカで最高のドッグトレーナーを雇った。彼のギャラは僕より高かったよ(笑)。現場では一日12時間、犬を撮影して、残り10分で『じゃあ、リチャード・ギアを撮ろうか』って感じだった(笑)」と話して報道陣を笑わせたが、そうした苦労もあってか、「教授の友人を見つめる犬の目がとてもピュアで、あれは訓練された犬では決してできなかった」と満足のいくシーンが撮れたとコメント。敬虔な仏教徒としても知られるギアは、その時の犬の様子を「まるで深い瞑想の境地にいる僧侶のようだった」と独特な感性で表現し、ハチと教授の関係についても、「主従ではなく、もっと深い。彼らは心、魂を直に見つめあっている。純粋でエゴがない、愛に満ちた関係だと思う」と熱く語った。
また、同日夜、有楽町の丸の内ピカデリーで行われたプレミア試写会にも登場したギアは、日本語吹替え声優の北大路欣也、高島彩フジテレビアナウンサー、日本語版テーマソングを歌う青山テルマと対面。「とてもシンプルで正直に描いた映画。その中からミステリアスでパワフルなものを感じていただいて……そして、泣いてください」と観客に語りかけ、87年の「ハチ公物語」に出演した犬の血を引く生後2カ月の秋田犬を抱えてフォトコールに応じた。
「HACHI/約束の犬」は8月8日公開。