スティーブン・ダルドリー監督「ケイトはラブシーンでも大胆不敵だった」
2009年6月19日 12:00

[映画.com ニュース] 「これは“愛”“罪”“恥”という3語に集約される物語だ。ベルンハルト・シュリンクのドイツ文学『朗読者』が原作で、歴史の断片を描いた物語ではなく、ラブストーリーのただ中に歴史が流れるという物語だ。個人的には、10代の青年と30代の女性との愛のゆくえがとても興味深かった」と語るのは、監督デビュー作「リトル・ダンサー」(00)、第2作「めぐりあう時間たち」(02)に続き、「愛を読むひと」(6月19日公開)でアカデミー賞5部門のノミネートを受け、自らも3作連続で監督賞ノミネートを達成したスティーブン・ダルドリー監督だ。だが、彼が自分の栄誉以上にうれしかったのは、ケイト・ウィンスレットが初めてアカデミー主演女優賞に輝いたことらしい。
「ケイトはとても知的で、とても感情の幅が広い。何事にもまったく恐れることがない。彼女が演じるハンナは不幸な人生を送り、唯一の幸せがマイケル少年との関係だったという悲しい女性だ。道徳的に見れば反感を買うような役だが、ケイトはハンナからいろんな側面をすくい出し、複雑な感情を表現してくれた」と、暗い過去を持つハンナを全身全霊で演じた彼女の演技を大絶賛だ。

彼女の体当たりなラブシーンも話題だが、ダルドリー監督は官能的なラブシーンの演出に細心の注意を払ったという。「ラブシーンでも、経験豊富なケイトは大胆不敵だった。対するマイケル役のデビッド・クロスは初体験。だから、気心が知れる撮影の最後にラブシーンをまとめて撮ったんだ。アドリブに任せるのは危険なので、私とケイトは情事のしぐさや動きに関して綿密な話し合いを繰り返した。デビッドは初めてのラブシーンでカチンコチンだったが、本番では映画の内容そのままに、ケイトがデビッドに手ほどきをしていた(笑)」
先日発表されたトニー賞で、ダルドリー演出のブロードウェイ・ミュージカル「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」が10部門制覇し、彼自身もミュージカル演出賞を獲得した。「どんな賞でも評価されるのはうれしい。舞台は何度でも繰り返す芸術だが、映画は最高の演技を選びだせる芸術だ。宝物のような最高のキャスト陣の演技を堪能してほしいね」
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