仏ヌーベルバーグの鬼才、ゴダール監督がホロコースト映画に挑戦!
2009年6月8日 12:00
[映画.com ニュース] フランスのヌーベルバーグの映画作家ジャン=リュック・ゴダール(78)が、次回作としてホロコースト映画を検討中であることが分かった。
その原作は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーにもなった「The Lost: A Search for Six of Six Million」というノンフィクションノベルで、ユダヤ系ウクライナ人の祖先を持つ同紙記者ダニエル・メンデルスソーンが、ポーランドの強制収容所生活をはじめとする家族の歴史を描いた実話小説だ。
歌手パティ・スミスらが出演する新作「Socialisme」の撮影を終え次第、ゴダール監督はすぐにでもクランクインする構えだ。
たびたび政治的発言を繰り返しているゴダール監督は、「アワーミュージック」(04)でも煉獄編・地獄編・天国編の3部構成で、9・11同時多発テロ以後の世界観を描き出してみせた。過去の作品でも、「カラビニエ」(63)でも“戦争ごっこ”をシニカルを描いて反戦を謳い、「アルファヴィル」(65)でも近未来を舞台に、巨大コンピュータによって個人の自由が奪われる世界を描いている。
このゴダール監督作品、スティーブン・スピルバーグ監督作「シンドラーのリスト」のアンチテーゼになるのか注目される。