スティーブン・スピルバーグが、念願のキング牧師の伝記映画を製作!
2009年5月21日 12:00
[映画.com ニュース] ドリームワークスが、キング牧師として名高いアメリカのアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者、マーチン・ルーサー・キング・Jr.(1929-1968)の人生を映画化する権利を獲得した。ドリームワークスのステイシー・スナイダーCEO&会長が米バラエティ誌にその事実を認めた。
「この野心的なプロジェクトに取り組みながら、『なぜ今、マーチン・ルーサー・キングなのか?』という疑問を自分たちに問いかけなければならなかった。その答えは、『すべての進歩は不安定で、一つの問題を解決しても、また別の問題に直面することになる』というキング牧師自身の言葉にあった。前進するたびに新たな問題に直面するけれど、私たちは憎しみや不平等に耐え続けるという彼の人生や教えを決して忘れてはならないのよ」
キング牧師と言えば、「I Have a Dream(私には夢がある)」の名演説で有名なプロテスタントバプテスト派牧師。ベトナム戦争が世相に暗い影を落とすアメリカで、アフリカ系人民に対する人種偏見を終わらせるために非暴力抵抗運動を唱えた公民権運動指導者で、1964年にノーベル平和賞を受賞。だが、68年4月4日、遊説中のテネシー州メンフィスで白人男性に暗殺された。アメリカでは現在、彼の誕生日1月15日に近い1月第3月曜日が「マーチン・ルーサー・キング・Jr.・デー」として祝日になっている。
誰が監督するのかはまだ発表されていないが、キング牧師の伝記映画が長年の夢だったという、スティーブン・スピルバーグがプロデューサーを務めるようだ。また、「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」の脚本家スザンヌ・ド・パッシー、SFホラー「Humpty Dumpty」を製作準備中のマディソン・ジョーンズが共同プロデューサーを務める。
監督作に「アミスタッド」があるスピルバーグは監督として現在、リーアム・ニーソン主演のエイブラハム・リンカーン米大統領の伝記映画「Lincoln」(2011年全米公開)を準備中。奇しくもリンカーンの誕生日もアメリカの祝日になっており、もし同監督がメガホンを取れば、暗殺の犠牲になった2人の伝記映画に挑むことになる。