故G・ドパルデューが義足の痛みをおして熱演。「ベルサイユの子」監督が明かす
2009年5月1日 12:00

[映画.com ニュース] 「ポーラX」「ランジェ公爵夫人」などで注目を浴び、08年に急性肺炎のため37歳の若さで逝去したフランスの若き名優ギョーム・ドパルデュー。彼が主演を務めた「ベルサイユの子」のピエール・ショレール監督が来日し、インタビューに応じた。
映画は、社会からドロップアウトし、ベルサイユ宮殿はずれの森で暮らす青年ダミアンと、母親に置き去りにされた5歳の少年エンゾの、実の親子を超えた絆を描くヒューマンドラマ。
本作が映画初出演のマックス・ベセット・ド・マルグレーブは、無垢さと芯の強さを兼ね備える少年エンゾを見事に演じきり、各所で喝采を浴びた。「子供だからすぐに飽きてしまうのではないかと懸念していたが、ギョームがあらゆるものでマックスの関心を惹きつけ、マックスに演技をするよう仕向けてくれたんだ。ギョームは自分が出演しない現場にも必ず来てくれたよ」
ドパルデューは、03年にバイク事故の術後感染が原因で右足を切断したが、義足を感じさせない名演で多くの観客を魅了してきた。しかし、その影にはドパルデューの並々ならぬ努力と忍耐があったそうだ。「実は義足(の接続部分)がひどく痛み、階段すらまともに歩けない状態だったが、彼は文句なんて言わなかった。ニーナ(ジュディット・シュムラ)とのセックスシーンで、服を脱ぐと彼が義足だということがばれてしまうからいろいろと工夫したんだけど、そういうことは彼にとってとても苦痛だったと思う」
観光客で賑わうパリ郊外の華やかな世界遺産ベルサイユ宮殿、その傍らの森に多くのホームレスが暮らしていることはあまり知られていない。なぜ彼らを描こうと思ったのか尋ねると、「初監督作品として、自分自身が深く感銘を受けるストーリーを撮りたかった。そんな時、森の中で年齢も性別の境もなくなった彼らの自由を、彼らの体を通じて表現したいと思ったんだ」と、あくまで“貧困”ではなく“自由”を描いた物語であると話してくれた。
「ベルサイユの子」は5月2日より、全国順次公開。
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