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内田也哉子「オスカーは大ドンデン返し」。フランス映画祭トークショー

2009年3月16日 12:00

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「おくりびと」の本木の妻も、「打ちのめされた」と感激しきり
「おくりびと」の本木の妻も、「打ちのめされた」と感激しきり

[映画.com ニュース] 東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催されていたフランス映画祭2009にて、3月15日、カンヌ国際映画祭“ある視点”部門に出品された映画「ベルサイユの子」が上映され、来日したピエール・ショレール監督と文筆家・音楽家の内田也哉子のトークショー&ティーチインが行われた。

本作は、社会に背を向けてベルサイユの森でホームレス生活を送る青年ダミアン(ギョーム・ドパルデュー)と、その森で母親に置き去りにされた5歳の少年エンゾ(マックス・ベセット・ド・マルグレーブ)との、本当の父子のような絆を描いた社会派ドラマ。

俳優・本木雅弘の妻で二児の母親でもある内田は、「セリフも音楽も最小限なのに、たくさんの想いが詰まった稀有な作品。打ちのめされた」といたく感激した様子で、ショレール監督へ矢継ぎ早に質問を連発。監督の口からは「最近の映画は、あらかじめ用意された感動ばかりだ」と手厳しい批判も飛び出した。

一方、夫の主演作「おくりびと」が米アカデミー外国語映画賞を受賞したことに話題が及ぶと、内田は「『ベルサイユ~』とはまったく異質の映画です」と前置きした上で「日常の中の死というテーマに、他の(ノミネートされた)4作品との対比の妙があったんだと思う。誰も予想していなかったオスカーに、『すごいドンデン返しだったね』とスタッフもみんな驚いていた」と受賞理由を、身内らしく分析。「主人は結婚前から15年間、構想を温めていた。(受賞は)これ以上ないご褒美です」と笑顔で夫をねぎらった。

なお、本作でも右足が義足であることを感じさせない凄みある演技を披露した、主演のギョーム(ジェラール・ドパルデューの息子)は本作撮影後の昨年10月、「L'enfance d'Icare」の撮影地ルーマニアで急性肺炎にかかり、惜しくも37歳の若さで急逝している。

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