妥協なき姿勢が生み出した「ダイアナの選択」。監督に聞く
2009年3月13日 12:00

[映画.com ニュース] 監督デビュー作「砂と霧の家」(ジェニファー・コネリー、ベン・キングズレー主演)でアカデミー賞3部門ノミネートを果たしたバディム・パールマン監督の第2作「ダイアナの選択」が3月14日より公開される。本作について、来日した監督に語ってもらった。
映画は、ユマ・サーマンとエバン・レイチェル・ウッドが主演。郊外の美しい住宅に、優しい夫と愛する娘と暮らす美術教師のダイアナ(ユマ)は、高校時代に校内で起こった銃乱射事件の記憶に今でもさいなまれている。当時のダイアナ(エバン)は、親友とともに犯人に銃を突きつけられ、「どちらかを殺す。お前が選べ」と選択を迫られたのだった。
ローラ・カジシュキーの全米ベストセラー小説が原作。映画では繰り返し挿入される花や鳥、蜂、水といったモチーフが非常に印象的だが、それらはもともと小説にあった表現だという。「とてもメタファーに満ちたリリカルな小説で、だからこそ惚れ込み、映画化したいと思った。それらの自然のモチーフは命の美しさ、もろさの具現であり、人間にはそれぞれ花咲く時期があり、そして枯れる、死ぬことのメタファーでもあるんだ」

前作「砂と霧の家」は悲劇的な物語で、本作も交錯する未来と過去の物語がどのように結ばれるのか、観客は画面の隅々にちりばめられた暗喩に目を凝らし、登場人物の行動に注意を払わなければならない。どちらもお気軽な娯楽作ではないが、そこには監督の妥協しない映画作りへの思いがあった。
「『砂と霧の家』を作っている時も、プロデューサーに『こんなに悲劇にしなくちゃダメなのか?』と言われたけど、もし喜劇を作っていたとして、『こんなに笑えていいの?』とは言わないだろ? この作品でも同じことさ。1つの作品を作ると決めたら、ストーリーが要求する方向を、最後まで突き詰めなければいけないと思っている。半端になることは作品に対して良くない。僕はセンセーショナリズムを求めたり、煽ったりしているわけではなく、ストーリーに求められるものを作っているだけなんだ」
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