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“奇跡の大逆転”でオスカー受賞「おくりびと」本木雅弘&滝田監督凱旋会見

2009年3月2日 12:00

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オスカー像のもたらす影響は絶大
オスカー像のもたらす影響は絶大

[映画.com ニュース] 第81回米アカデミー賞で、日本映画としては初めてとなる外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」の滝田洋二郎監督と主演の本木雅弘が2月28日、東京・紀尾井町のホテル・ニューオータニにて、受賞報告会見を行った。

おくりびと」は、長年の夢だったプロのチェロ奏者になることを諦め、故郷・山形に戻って遺体を棺に収める納棺師になった男(本木)が成長する姿をユーモラスに描いた人間ドラマ。米アカデミー賞以外にも、日本アカデミー賞(10冠)や、毎日映画コンクール日本映画大賞など国内の賞を総なめにしてきた。

滝田監督は、開口一番「“奇跡の大逆転”でオスカーを持って帰ることができました」と挨拶。「受賞の瞬間までは冷静だったが、プレゼンターのリーアム・ニーソンが“Depertures”(「おくりびと」の英題)と読み上げた後は急に記憶が途切れ途切れになった(笑)。覚えているのは本木さんと抱き合ったり、プレゼンターの女性にハグしないといけないのかを考えたことや、受賞スピーチのときにブラッド・ピットと目線が合って舞い上がってしまったことくらい(笑)。いまだに客観的になれない」と笑顔で受賞の瞬間を振り返った。

帰国後成田から直行で会見に臨んだ本木は「時差ぼけでボーっとしていたが、カメラのフラッシュを浴びて受賞の重みを思い出している。ロサンゼルスからの帰路は飛行機、ホテルなど行く先々でシャンパンや拍手などの素晴らしいサービスを受けて、とても良くして頂きました(笑)。成田からの車中で、受賞後の日本の反応を新聞、TVで見てみると、日本の興奮の中に身を置いてみたかったと思わせるものがあったが、(もし日本にいたら)指名手配犯のようになっていたと思うのでロスにいて良かった」と喜びを語った。

画像2

今回の受賞の要因については「アメリカでもビッグサプライズと言われていたので、私に分かるわけが無いですが、“争いはもうたくさんだ”という今のアメリカの気分と、非常にパーソナルなことを描いた作品だったからではないか」(滝田監督)、「各国の代表作それぞれにテーマがあったが、『おくりびと』のテーマは“死”という普遍的なものだった。それがもしかしたら受賞につながったかもしれない」(本木)とそれぞれに分析していた。

配給の松竹では、授賞式直前の2月21日よりスクリーン数を95から188に拡大。27日までの観客動員が304万人、興行収入が35億2000万円を突破したと発表した。23日の受賞後からは観客が急増しており、受賞後初めての週末となる2月28日~3月1日の興行ランキングでは1位になることが確実視されている。また、海外では5月よりアメリカで公開される他、38カ国での公開が決定しているという。

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